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エリザベス女王杯は「二強」の構図。
割って入るならばルージュバックか。
posted2015/11/14 08:00
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph by
Yuji Takahashi
女王の座につくのは、勢いのある3歳馬か、それとも歴戦の古馬か。第40回エリザベス女王杯(11月15日、京都芝外回り2200m、3歳以上牝馬GI)は、フルゲートの18頭で争われる。
3歳牝馬二冠を制したミッキークイーンと、昨年の秋華賞馬ショウナンパンドラは2週後のジャパンカップに向かうため不在だが、それでも、最強牝馬決定戦と呼ぶにふさわしいメンバーが揃った。
そのなかで、1番人気に支持されるのは、昨年の覇者ラキシス(5歳、父ディープインパクト、栗東・角居勝彦厩舎)か。
今年4月の大阪杯でキズナやスピルバーグ、ロゴタイプといった牡の強豪を下して以来勝ち鞍はないが、秋初戦の京都大賞典では距離を不安視されながら、上がり3ハロン32秒5という末脚を繰り出して4着となり、復調を感じさせた。
状態さえまともなら、キズナを突き放した実力がモノを言う。距離短縮は間違いなくプラスだし、京都芝コースは2-1-0-2と得意にしている。着外の2戦は、前走の京都大賞典と、昨年の京都記念の4着で、着差はそれぞれコンマ4秒とコンマ3秒だから、大きくは負けていない。
これが3度目の女王杯。1度目は3歳だった一昨年でメイショウマンボの2着、2度目は昨年で優勝、そして今年、となるわけだ。
上位「リピーター」が目立つエリザベス女王杯。
女王杯は上位の「リピーター」が目立つレースで、例えば、スイープトウショウは、3歳時の'04年に5着、'05年1着、'06年2着、'07年3着。'06年に優勝したフサイチパンドラは'07年2着。'10年と'11年は、ともにイギリスのスノーフェアリーが勝ってアパパネが3着……といった具合である。
今回のラキシスは鞍上に、スノーフェアリーでここを連覇したライアン・ムーアを配してきた。
週末の天気予報に傘マークが見えるが、不良馬場だった大阪杯の走りからして、心配ないどころか、好材料だろう。
前走時、16キロ減って460キロになった馬体がさらに減るようだとちょっと嫌だが、追い切りの動きに関して、角居調教師は「前走や2走前よりいいと思う」と話している。大きく崩れるシーンは考えづらい。