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宿敵アメリカに完敗も悔いは無し。
なでしこは最後まで“らしかった”。 

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栗原正夫

栗原正夫Masao Kurihara

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posted2015/07/06 17:00

宿敵アメリカに完敗も悔いは無し。なでしこは最後まで“らしかった”。<Number Web> photograph by AFLO

16分で4点差、観る者の多くが諦めた試合を最後まで諦めなかったのはピッチ上の選手達だった。二大会連続決勝進出は、偉業と呼ぶに十分な結果と言えるだろう。

実に清々しく、不思議と美しかった。

 佐々木則夫監督は、大儀見のゴールで1点を返したあと、33分に岩清水を下げ、澤を投入。これでボランチの阪口夢穂をCBに下げ、それまでボランチだった宇津木を左SBに、左MFだった宮間を澤とともにボランチに、左SBだった鮫島を1列目前に上げるなど布陣を大胆に変更し、39分にも右MFの川澄奈穂美を下げてFW菅澤優衣香を投入するなど、尽くせる限りの手を尽くした。

「(阪口のCB起用について)あれは初めての形でしたけど、もう点を取るしか道はなかったですから」(鮫島)

「5点取られても10点取られても負けは負け。私自身、最後は3バックになっても前に行った。それで失った場面もあったけど、それぐらいの気持ちでやりたかった。余力を残して負けるなんて、相手にも見てる人にも申し訳ない」(宇津木)

 阪口のCB起用などは、まさにスクランブル。序盤の立て続けの失点で、おそらく試合を見ている多くの人がすでに勝敗はついたと思ったことだろう。だが、なでしこは最後の最後まで1点でも2点でもと喰らい付いた。

 ロスタイムに入っても、マイボールのチャンスになれば最終ラインを押し上げ、前線の選手はスプリントを繰り返し、実直なまでにゴール前への侵入を試みた。

 戦前に期待された、過去2度の決勝のような熱戦の再現とはならなかった。しかし、どんな展開になっても最後まで勝負を捨てない、なでしこ魂は最後まで健在だった。

 宿敵アメリカに完敗も悔いなし。当たって砕けた散り方は実に清々しく、不思議と美しかったように思う。

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