なでしこジャパンPRESSBACK NUMBER
宿敵アメリカに完敗も悔いは無し。
なでしこは最後まで“らしかった”。
posted2015/07/06 17:00
text by
栗原正夫Masao Kurihara
photograph by
AFLO
カナダ女子サッカーW杯は現地時間5日に決勝が行われ、日本代表「なでしこジャパン」(FIFAランク4位)は惜しくも2-5とアメリカ(同2位)に敗れ、連覇達成は夢と消えた。
開始3分、最初のCKから最も警戒していたC・ロイドに先制弾を許すと、16分までにロイドにハットトリックを決められるなど4失点。27分には大儀見優季のゴールで1点を返し、52分には宮間あやのFKに途中出場の澤穂希が競り合い相手のオウンゴールを誘い一時は2点差に詰め寄ったが、最後はT・ヒースに再びリードを広げられる5点目のゴールを決められ万事休した。
グループリーグから準決勝までの6試合をすべて1点差で勝ち上がってきたなでしこジャパンに対し、アメリカは第2戦以降の5試合を無失点で切り抜けてきた。
過去の対戦成績は1勝6分け23敗(PK戦は引き分け扱い)と大きく負け越しているものの、'11年ドイツ大会決勝後は5試合で1勝2分け2敗と互角に近い成績を残しており、展開次第では十分に勝機を見出せるかに思われた。ただ、そのためになでしことしてはなんとしてもオープンな展開を避けて僅差の勝負に持ち込みたかったが、最初の失点があまりに早過ぎた。
'11年ドイツW杯、'12年ロンドン五輪に続く、女子の世界大会では3大会連続の決勝同カードとなった日本とアメリカ。チケットは完売し、因縁の対決にバンクーバーのBCプレイス・スタジアムは5万人を超える大観衆で埋まった。もちろん、隣国アメリカのサポーターの姿が目立ち、なでしこにとってはアウェイ感を味わう一戦となったわけである。
セットプレーから2点、そして豪快に3点目を……。
立ち上がりからアメリカは激しくプレッシャーをかけてきたものの、最初の2失点はいずれもセットプレーだった。開始3分にM・ラピノーの右CKに大外から中央に走り込んだロイドが合わせると、その直後にも右サイド深い位置からのFKに中央のロイド。CKとFKの違いはあれ、立て続けに同じような形からの2失点だった。
いずれの場面でもロイドのマーク役となっていたのは岩清水梓。そして、14分にはヒースの右クロスを岩清水がエリア内でヘッドでクリアするも、高く浮いたボールは何とも中途半端となり、落下点に走り込んだL・ホリデーに豪快に蹴りこまれた。