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プレミアを去るアイコン、ジェラード。
彼がトロフィーの代わりに得たもの。 

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田邊雅之

田邊雅之Masayuki Tanabe

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photograph byGetty Images

posted2015/05/29 10:50

プレミアを去るアイコン、ジェラード。彼がトロフィーの代わりに得たもの。<Number Web> photograph by Getty Images

来季からはかつてベッカムも所属したロサンゼルス・ギャラクシーでプレーすることになるジェラード。

彼がかくも愛された理由とは?

 彼がかくも愛された理由としては、ストレートでフランクな物言いも挙げられる。現代のサッカー選手は、メディアをあしらうための訓練もきっちり施されており、残念ながら差し障りのない発言に終始することが多い。

 だがジェラードは異なっていた。

 実は私は2005年に、彼に単独インタビューする機会に恵まれたことがある。前シーズンにCLを制覇したばかり、しかも日本人ジャーナリストの本格的な取材を受けるのは初めてだという事情があったからだろう、ジェラードは相当に意気込んで取材の現場に登場した。マイクを向けると、ジェラール・ウリエからラファエル・ベニテスに監督が代わったことで、いかにリバプールが進化したかを力説し始めた。

インタビュー中、突然表情を曇らせ始めたジェラード。

 ところが話が肝心なところに差し掛かると、突然、表情を曇らせ始めた。

――CL優勝に関しては、新たに監督に就任したラファエル・ベニテスの手腕も大きく注目されましたが、チームの土台を築いたのは前任のジェラール・ウリエ監督だったとも言われました。

「それは否定できないな。ウリエはいろんな選手と契約したりして、チーム作りにかなり貢献しているから。でもCL優勝に関して言うと、やっぱりラファが入ったことが大きいと思う」

――サッカーに対するアプローチなども違いましたか?

「そんなに大きな差はないよ。どちらもすごく優秀な監督だし。あくまでもトレーニングやプレーのアイディアが違っていたというだけであって 」

――トレーニングやプレーの仕方は、具体的にどう変わったのでしょう?

「いや、基本的に大きな違いはないんだ。ただディテールが違うというか」

――そのディテールを教えていただけますか? ストレッチでもミーティングの仕方でも、本当に小さな例でいいのですが。

「(眉をしかめて)ん……説明するのは難しいなあ。ウリエとベニテスはもちろん別の人間だから、トレーニングにしてもやり方は違うんだけど、大枠の方向は基本的に同じというか……」

――……わかりました。じゃあ、こっちで勝手にまとめさせてもらうと、トレーニングにしてもプレーのアイディアにしても、監督が代わったことによってチームが総合的にスケールアップしたという感じでいいですか?

「(ほっとした表情で)そうそう。そんな感じにしておいてくれるかな (苦笑)」

【次ページ】 そんな彼が堰を切ったように話し始めた場面。

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#スティーブン・ジェラード
#デイビッド・ベッカム

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