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柔道の代表選考が公開された理由。
選び方の多様性、選ぶ側の責任は?
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph byKyodo News
posted2015/04/12 11:00
左から女子代表の南條充寿監督、全柔連の山下泰裕副会長、男子代表の井上康生監督。伝統を守るイメージの強い柔道連盟の今回の措置は、確実に代表選考に一石を投じたと言える。
選考理由を説明できるか、選ぶ責任を負えるか。
形式はいろいろある。考え方も、現場も含めてそれぞれに違う。
その中でポイントとなるのは、議論や検討の上で代表選考が行なわれるにせよ、どれだけ選んだ理由を明確にできるか、どこまできちんと説明できるのかにある。
それがはっきりすれば、選考を検証することが可能となる。もちろんその場合も、選手側からの疑問、批判が封じられることにはならない。
もう一つは、選ぶ側の責任の自覚である。
選考は選手の人生を左右し、競技の成績を大きく左右する以上、選ぶ側の責任は重い。それを自ら知った上で、責任をまっとうする意識があるかどうかだ。
今回、全日本柔道連盟が代表選考の一部公開に踏み切ったのは、最近の各競技での代表選考をめぐって起きた問題もあってのことだという。
代表選考のあり方が問題になっている今だからこそ、こうした新しい形式をとったことは、評価すべき点は多いように思える。