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<体幹とランの関係性> “骨”で進化する体幹ランニング ~金哲彦×松村卓~
text by
坂本真理Mari Sakamoto
photograph byAsami Enomoto
posted2015/01/29 11:40
バーベル300kgを担いだ現役時代よりパワーを出せる。
金 「骨ストレッチ」をすることで、柔らかい筋肉を作れるんですか? 松村さんのような柔らかい筋肉を持てたら、ランナーが走るときに生むパワーも変わりそうですね。
松村 はい。今、現役時代よりパワーは出せるようになっています。
金 昔は鍛えていらしたんですか?
松村 筋トレ信者でした(笑)。ベン・ジョンソンがカール・ルイスを破った時代に、短距離選手だったので、「速くなるには筋トレだ!」と。小さな体で強い選手に勝つためには、もっと筋肉を、もっと筋肉を……と思って、トレーニングしてましたね。
金 あの頃はたしかに筋トレ礼賛でしたね。でも故障した選手も多かった……。
松村 私も300kgのバーベルを担いでスクワットしてましたから。しかも、上半身、下半身と分けてほぼ毎日です。国体の100m決勝まで行ったので、日本一まであと一歩。必死でした。強くなるんだ、速くなるんだ! って。でもそれ以上は実績を残せず、故障ばかりでした。10秒2が僕の100mの記録だったんですが、細身の伊東浩司選手が今も日本記録である10秒00を出した。なんでだろう? どうしてだろう? こんなにトレーニングしてきたのにって悩んでましたね。
武道の甲野善紀先生が教えてくれた「骨」の動き。
金 そんな筋トレ信者は、どこで「緩める」ことの大切さに気づいたのですか?
松村 いろんな出会いがあって辿り着いたのですが、最初はある高校の先生に「骨盤を動かしてみたら?」といわれたことがヒントになりました。「筋肉のパワーを地面に伝えて走るのは限界がある」というんですね。そこから、武道の講習会で、甲野善紀先生に出会うんです。甲野先生の動きを見て「なんなんだ、これは!」と。
金 僕もお会いしたことがありますが、甲野先生の動きは、すごいですよね。武道の動きは僕も体のことを考える上でヒントになるんですが、ただランニングに応用するのは難しいのかなと思っていました。
松村 そうでしたか。私はそれから「骨で動く」ことを考えるようになるんです。暇があれば骨を触って……。ある日、テレビを見ながら、何気に手首の骨をおさえて手首をふってみたんです。そしたら、自分の肩から力が抜けて、肩がストンと下がっていく。これが面白くて色々な「節々」をおさえて動かしてみると、筋肉が緩んでいったんです。
金 ちょっと教えてもらえますか?
その中でも松村さんが注目しているのは、意外にも「鎖骨」だった――。
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