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<体幹とランの関係性> “骨”で進化する体幹ランニング ~金哲彦×松村卓~
text by
坂本真理Mari Sakamoto
photograph byAsami Enomoto
posted2015/01/29 11:40
筋肉が緩んでこそ体幹を使って走れる、という感覚。
金 筋肉は柔らかいほうが、筋収縮が大きくなり、筋出力も大きくなりますからね。
松村 はい。全身の筋肉が緩んでいないと丹田を意識することができません。金さんも「体幹を使って重心を前へ」とおっしゃっていますが、丹田を意識することがそのためのキッカケになる。ちょっと意外かもしれませんが、筋肉が緩んでこそ体幹を使って走れるんだ、と僕は思います。
金 そうですね。「体幹で走れ!」という感覚を掴めない人は、力みがある=筋肉が硬いことが多いですから。僕は力みがある人には、まずジャンプをさせます。ちょっと松村さん、その場でジャンプしてみてください。どうですか? 筋肉が緩んでいきませんか?
松村 筋肉が緩んでいくと同時に、どんどん高く飛べますね。
金 ジャンプしているうちに、自然と体幹を使えるようになる。これで“体幹”を使う感覚を掴めるんです。
体幹は大きな出力を持つエンジン。
松村 ランナーにとっても体幹は推進力を生み出す場所ですよね?
金 体幹は大きな出力を持つエンジンです。エンジンを使わずに脚と腕だけで走っても、速くはならない。そして脚だけで走っていると故障の原因にもなるからこそ、「体幹=エンジン」のスイッチを入れて走って欲しいんです。そのためにも松村さんがおっしゃる通り、筋肉が緩んで、柔らかいことは、基本だと思いますね、僕も。
松村 金さん、ちょっと僕の腕、触ってみてくれませんか?
金 うわっ! ものすごく柔らかいですね! 見た目は、鍛えていらっしゃるふうに見えるのに……(笑)。
松村 女の子みたいでしょう?(笑) 今はまったくウエイトトレーニングはしてないのですが、かなり体重の重い人でもヒョイって投げちゃいます。なかなか信じてもらえないんですけどね……。胸も脚もお腹も、女の子より柔らかいんです。