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アギーレ初陣はウルグアイに0-2。
“戦う”以外の方向性は見えたか?
text by
二宮寿朗Toshio Ninomiya
photograph byTakuya Sugiyama
posted2014/09/06 12:00
アギーレ監督は「(川島)永嗣、(吉田)麻也、本田の3人が主将。永嗣はレフェリーから遠い」と本田圭佑にキャプテンマークを託した。
「アギーレ色」がぎっしりと詰まったデビュー戦。
わずか4日の準備期間しかなかった割には、「アギーレ色」がぎっしりと詰まったデビュー戦であった。
ざっくりと印象を語るなら、強豪相手にもパスをつないで押し込みながら主導権を握ろうとする理想を求めたアルベルト・ザッケローニとは対照的に、リスクを避けてロングボールを使い分ける戦い方はより「現実型」にシフトした感じだ。
チョイスしたシステムは4-3-3。1トップに186cmのターゲット、皆川を置き、左CBには坂井達弥、左MFには田中順也と左利きを配したのも特徴的だと言っていい。アンカーには本来、センターバックでプレーする森重真人が入った。攻撃になると森重がセンターバックの間に入ってビルドアップしていく形で、3-4-2-1になる。
2失点も、真ん中を崩された場面はほぼなかった。
守備の面で言えば、確かにアンカーを置いた効果は出ていた。2失点したとはいえ、真ん中を崩された場面はほぼなかった。対人の強さを発揮してフィルターの役割を果たした森重の働きは大きかった。
「自分がスペースを消すことでセンターバックを助ける動きができたと思う。うまく対応はできたかな、と。2失点は自分たちのミスから相手にプレゼントしてしまったけど、そこは自分たち次第で何とかなる。相手の決定機も少なかったと思うし、1試合通してみても、そんなに悪くなかった」
ウルグアイのカウンターを警戒して、最終ラインからシンプルにロングボールを多用、というのは徹底していた。
アギーレはこう説明する。
「相手のプレッシャーがかかっている状況で余計なプレーをしてはいけない。前に皆川がいるので、プレッシャーがかかっている状況であれば、そこに入れるということをした。ただ、毎回同じプレーをすると、相手に読まれるということもある。つなぐ場面と長いボールを使う場面、両方あった試合だったとは思う」
ロングボールのみを是としているわけではない。このコメントの裏には、つなぐ場面がもっとあっても良かったとも聞こえてくる。実際、下がってブロックで構えるウルグアイの網に放り込むだけではなかなか突破口にはならなかった。