選手たちにはポジティブな感想が多かったが……。

　セカンドボールの回収に奔走した細貝萌はこの点についてこう語っている。

「アンカーが下がる分、（吉田）麻也と達弥がフリーになることが多く、サイドバックに（ボールを）つけるのか、（本田）圭佑、岡ちゃん（岡崎慎司）のところにつけるのか、もしくはミナ（皆川）のところまで飛ばすのかというバリエーションは練習でもありました。ただ、ロングボールが増えてしまったのは、達弥も出すところがないから、そうなったと思う。（自分たちが）もっとボールを受けにいかなきゃいけなかったかなとは思ってます」

「収穫はディフェンス面」と語った本田や森重ら選手たちのコメントを聞いていても、どちらかと言えばポジティブな感想が多かった。もちろん「はじめの一歩」であり、一戦だけ見て、とやかく言う必要もないかもしれない。

まだシステムには未知数の部分が多い。

　トレーニング期間が短いのは承知のうえ。だが、この不慣れなシステムはまだまだ未知数の部分が多い。

　攻撃になると森重が最終ラインに入ることで中盤の残り2枚の位置がどうしても低くなり、ロングボールを蹴っても1トップのフォローに回るのが難しい。

　また、真ん中の広いエリアを攻略できず、特に右ウイングに入った本田圭佑が孤立してしまったのが気になった。前半37分には両ウイングが中寄りにポジションを取って、カウンターから岡崎がクサビを受けて左に回った田中がサイドをえぐるという場面はあったものの、攻撃で目を引いたシーンは少なかった。タメをつくって、サイドバックが上がってくるというシーンも多くない。

　守備でも高い位置からプレスをかけられず、結局はウルグアイにいいように回されてしまって失点シーンにつながっている。「バックパスのときにもっと勢いよくボールを奪いに行け」というアギーレの指示は出ていたようだが、“戦う”“走る”というコンセプトをチーム全体で体現していたとは言い難かった。

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