アギーレの描く方向性は見えたか？

　後半途中からは岡崎、本田を2トップにする4‐4‐2にして多少、攻撃に迫力も出ている。しかしながらこれも2点リードしたウルグアイが足を止めたことと無関係ではないと思える。

　確かに中央突破を許さなかった守備は収穫である。あとは武藤嘉紀や森岡亮太を含めた新戦力や細貝、田中、森重など個として評価できる部分もあるだろうが、アギーレの描く方向性と可能性がどんなものなのかはっきりと見えたわけではない。

　強豪ウルグアイ相手だからこそ、守備型とも言えるこの布陣なのか。相手が変われば、システムも人選も、そしてサッカー自体も違ってくるのか。ここはもう少し見ていく必要があるだろう。

「何より結果が大事だ」と試合後の指揮官。

　試合後、指揮官は選手たちに「何より結果が大事だ」と伝えたという。親善試合だろうが、結果で判断していく考えを示している。理想というより現実を積み上げていくことで、“戦う集団”に変えていくつもりであるのは間違いない。

「きょうはチーム全体というより、選手個々を見たほうがより満足を得ることのできる試合だった。いくつかのことを試したものの、勝つことはできなかった。きょうは、3回のトレーニングを積んだチームの試合だった。そしてウルグアイはどんな状況でもウルグアイだ」

　相手の戦い方を見ながら、対応して勝利に持っていってしまうウルグアイとの差。だが、確実に一歩、踏み出せたという実感がアギーレにはあるようだ。

　ベネズエラ戦は中3日。アギーレの“次の一手”が見物だ。