2戦目は「今のリーグのベストメンバー」が揃った。

　続いて甲子園球場で行なわれた2戦目では、全セが地元阪神の藤浪晋太郎投手、全パが二刀流の日本ハム・大谷翔平投手と実力派の若手2投手の先発でスタート。先発メンバーも、選手起用の制約などで完全とは言えないまでも、おそらく両監督が「今のリーグのベストメンバーに近い」と考えている選手で組んだことがうかがえる。

　そして大谷と藤浪はプライドを賭けたような投げ合いを演じ、MVPを獲得したソフトバンク・柳田悠岐外野手のパワフルなバッティングも爆発。またオリックス・ペーニャのバカでかい一発や売り出し中のヤクルト・山田哲人や広島・堂林翔太、巨人・坂本勇人の本塁打など持ち味が出たプレーが随所に観られた。

　球宴2試合制（3試合はなおさら）がいいとは思わないが、それでも機構の経済的な問題から2試合やるとすれば、こういうやり方がある。そんな現場の努力が伝わってくる戦いだったわけである。

テレビ中継打ち切りに象徴される、メディアの問題。

　その一方で、今回改めてクローズアップされてしまったのは、伝えるメディアの問題ではなかっただろうか。

　今年の球宴中継は、2試合ともテレビ朝日の独占で行なわれた。第1戦の放送時間は延長なし、第2戦も9時24分までで、いずれも放送枠に試合は収まりきらなかった。しかも放映権料の問題からか、CS放送やBS放送での同時中継もなし。そのため2試合ともテレビ朝日の中継が尻切れとんぼで終わった後は、テレビ観戦は出来なかった。

　さらにもう一つ、中継の中味自体にどうにももどかしさを感じたのは、筆者だけではなかったはずである。

　これは近年のテレビの野球中継全体にいえることなのだが、演出過多が、逆に生の迫力、野球の面白さを著しく削いでいるのではないかという思いだ。

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