日本代表、2014年ブラジルへBACK NUMBER
サプライズの香りが漂い始めている。
発表まで1カ月、ザックの「探し物」は。
text by
二宮寿朗Toshio Ninomiya
photograph byKenzaburo Matsuoka/AFLO
posted2014/04/18 10:50
国内組を集めた合宿には、常連組ではなく初招集を含むフレッシュなメンバーを多く呼び集めたザッケローニ監督。最後の名前が呼ばれるまで、緊張感を持ったサバイバルは続いていく。
ボランチは激戦区、常連が強い2列目。
次にボランチはケガで長期離脱に追い込まれている長谷部誠、遠藤保仁を軸に、ザックジャパン立ち上げからずっと参加している細貝萌、先発起用が続く山口蛍がいる。さらにそこに、好調の青山敏弘が食い込んできているという構図になっている。
2列目に関してはサイドハーフに岡崎慎司、香川真司、トップ下に本田圭佑が揺るぎない地位を確立している。3者に割って入るなら清武弘嗣だが、6人枠に対してはっきりと常連と言えるのはこの4人だけだろう。
1トップは昨年7月の東アジアカップ以降、柿谷曜一朗、大迫勇也のいずれかが基本的にレギュラーを担っている。
ジョーカータイプは4人、もう1枠は悩みどころ。
こうやって一斉に並べてみると「手薄なポジション」「足りない要素」が、何となく見えてくる。
「手薄なポジション」で言えば、意外にも2列目が「2枠」を残す。
2枠のうち1つがドリブラーのジョーカータイプ。ここの役割は乾貴士が定着してきたのだが、最近は同じドリブラータイプでも齋藤学が台頭してきた。シュート力ならば、原口元気も加わってくるだろうか。また、サイドハーフでは守備力を含めて万能型の工藤壮人も継続的に招集されている。齋藤、原口、工藤の3人は代表候補合宿にも呼ばれた。
そして現在「サプライズ候補」としてメディアにもよく名前が挙がってきたのが19歳の南野拓実である。初めて招集された代表候補合宿では左サイドハーフ、トップ下を担い、1ゴールを挙げた。指揮官の選考基準にある「コンディション」を当てはめると、南野にとってもこの合宿はいいアピールになったのかもしれない。
もう1枠はトップ下のバックアップだと思うのだが、中村憲剛が外れてからというもの代役らしい代役を立てていない。高萩洋次郎も先のニュージーランド戦では招集されておらず、香川や大迫らが対応するという考えでいる可能性もある。
2枠の使い方としては流れを変えるジョーカーを一人置くことは間違いないだろう。もう1枠がトップ下か、それともサイドハーフか、最後の最後まで悩むことになるのだろうか。