日本代表、2014年ブラジルへBACK NUMBER
サプライズの香りが漂い始めている。
発表まで1カ月、ザックの「探し物」は。
text by
二宮寿朗Toshio Ninomiya
photograph byKenzaburo Matsuoka/AFLO
posted2014/04/18 10:50
国内組を集めた合宿には、常連組ではなく初招集を含むフレッシュなメンバーを多く呼び集めたザッケローニ監督。最後の名前が呼ばれるまで、緊張感を持ったサバイバルは続いていく。
アルベルト・ザッケローニの苦悩が垣間見える。
ブラジルW杯メンバー23人の発表まであと1カ月。4月上旬、桜咲く千葉県内のグラウンドで代表候補合宿を大学生との練習試合で打ち上げた際、報道陣に囲まれた彼は言った。
「メンバー発表まで、日が残り少なくなってきた。それまでに出来るだけ多くの情報を集めたいと思っている。能力ばかりではなく、誰のコンディションがいいか、なども見極めていかなければならない。
360度何一つおろそかにせず情報を集めたいし、国内組、海外組を平等に見ていきたいと思っている」
指揮官はそう言って、口もとに柔らかい笑みを浮かべた。
ザッケローニの中で23人枠の骨格自体はおおよそ決まっているだろうが、まだ探しているポイントがあることを示唆している。では一体、どのポジション、どの役割の選手を重点的に探しているのか。これまでの傾向を踏まえて、勝手ながら考察していきたいと思う。
23人のポジション配分はおそらくこれまで通り。
まず最初に、「23人枠」のポジション配分を整理しておきたい。
ザッケローニは代表を招集する際、親善試合であろうとも決まって23人にしてきた。紅白戦ができるよう2チーム分、プラスGKもう1人というスタンスである。FWだけが多い、中盤だけが多いなどというアンバランスはない。基本布陣の4-2-3-1に基づき、単純に言えばセンターバック4人、サイドバック4人、ボランチ4人、2列目6人、1トップ2人、それにGK3人で計23人という構成である。おそらくこの考えは、W杯メンバーにおいても踏襲されるはずだ。
では、そのポジションごとに現状を見ていくことにしよう。
GKは川島永嗣、西川周作、権田修一の体制が継続されている状況だ。
センターバックは今野泰幸、ケガで離脱中の吉田麻也のレギュラーに加え、ここ2試合で先発を果たしている森重真人が台頭してきた。また出場機会こそ少ないが3バック、右サイドバックのオプションで伊野波雅彦が貴重なバックアップとして変わらず名を連ねている。
続いてサイドバックだが、長友佑都、内田篤人(ケガでリハビリ中)、酒井宏樹、酒井高徳の4人で定着していると言っていい。