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田中将大は、打たれても負けない。
ムードを変える説明不能な“パワー”。
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出村義和Yoshikazu Demura
photograph byGetty Images
posted2014/04/10 16:45
![田中将大は、打たれても負けない。ムードを変える説明不能な“パワー”。<Number Web> photograph by Getty Images](https://number.ismcdn.jp/mwimgs/0/f/700/img_0f458cbdeb0864a2fddd88fbae7ca8be312371.jpg)
田中将大はホームデビュー戦となったMLB2戦目も躍動感あふれる投球を見せた。メジャー1年目でのスムーズなスタートは、すでに2つの記録を残している。
勝負強さと修正能力はメジャーでも出色。
また、田中はここぞというところで持ち前の勝負強さも発揮した。次打者、デルモン・ヤングに2安打目となる中前打を打たれたあと、昨年メジャー最多の53ホーマーを放ったクリス・デービスとの対決では、2-0の投手不利のカウントに追い込まれたが、次の2球をボールになる低目のスプリットを投げて空振りを取り、5球目はズバリ内角をえぐるファストボールで見送り三振に仕留めた。
調子はデビュー戦同様、回を追うごとに上がっていく。
「タナカの修正能力には驚かされる。だが、これから試されるのは中4日の修正ができるかという点だ」と、ジョー・ジラルディ監督はデビュー戦直後に語っていたが、この日の田中には無用な心配だった。
田中は2つの記録を残し、見事なスタートを切った。
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最後の回となった7回は、むしろ最も力強い投球だった。21個目のアウトは2安打されたヤングをカッターで空振り三振に打ち取ったものだが、141kmという時速表示以上に威力を感じさせるボールだった。球数は前回を上回る101球。
「もっと投げられたかもしれない。でも、中4日で投げる方針があるし、シーズンは長いですからね」と、田中は語る。現状ではスタミナ面での不安はない。
試合はヤンキースのクローザー不在の弱点が浮き彫りになる展開となり、4-5で敗れた。だが、田中はデビュー戦で1900年以来7人目となる、7回を投げて8奪三振、無四球という記録を残したのに続いて、この試合でもヤンキース球団史上99年ぶり2人目となるデビュー2試合連続8奪三振以上をマーク。その投球ぶりでファンの心を捉えただけでなく、早くもレコードブックにその名を刻んでいる。
田中将大は記憶と記録に残る投手として、見事なスタートを切っているのである。
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