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ドバイの3GIと高松宮記念を総展望。
3年前の再現、そして“王”の後継は?
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph byKYODO
posted2014/03/29 08:00
27日、メイダン競馬場で軽快な動きを見せたジャスタウェイ。ドバイでもその堅実な末脚を見せることができるだろうか。
もうひとつのGI、高松宮記念は?
今週はもうひとつ、大事なGIがある。スピード自慢が集う高松宮記念(中京芝1200m)である。
「世界のロードカナロア」が引退し、スプリント界の王座が空位になった。次期王者は誰になるのか――。
メンバーを見回して、まず目に入ってくるのはスマートオリオン(牡4歳、父グラスワンダー、美浦・鹿戸雄一厩舎)だ。連闘で臨んだ前走のオーシャンステークスを内から強引に差し切って快勝。重賞初参戦初勝利にして、一躍「ポスト・カナロア」の有力候補と目されるようになった。
連闘でグラスワンダーのDNAが覚醒したか?
確かに、パフォーマンスのうえでは、十分次期王者になり得る走りだった。が、昔から「競走馬が最も高い能力を発揮するのは連闘で出てきたときだ」と言われている。私はそれに従い、この馬の単勝を1点で獲った。しかし、獲ったがために、余計に、
――スマートが見せたパフォーマンスは、連闘によるプラスアルファぶんが上乗せされたものだったのではないか。
という疑いを拭い切れずにいる。
その一方でやはり、あの強烈な末脚が忘れられず、
――ひょっとしたら、あの一戦でスマートが持っている父グラスワンダーのDNAが覚醒したんじゃないか。
とも思っている。
連闘でこそ力を発揮する、という説は、「ストレスが力になる」という考え方に基づいたものだろう。DNAが覚醒するのも同様で、'05年のジャパンカップで世界レコードと同タイムの2着になったハーツクライが、それを機にディープインパクトを破り、ドバイシーマクラシックを勝つところまで登り詰めたのも、極限のストレスで父サンデーサイレンスのDNAが覚醒したからではないかと言われている。
書いているうちに迷いが消えた。
次期スプリント王は、連闘で目覚めたスマートオリオンだ。
◎スマートオリオン
○ストレイトガール
▲レディオブオペラ
△レッドオーヴァル
×ハクサンムーン
私もこれだけストレスがかかっているのだから、そろそろ馬券師のDNAが覚醒してもいいはずだ。