沸騰! 日本サラブ列島BACK NUMBER
ドバイの3GIと高松宮記念を総展望。
3年前の再現、そして“王”の後継は?
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph byKYODO
posted2014/03/29 08:00
27日、メイダン競馬場で軽快な動きを見せたジャスタウェイ。ドバイでもその堅実な末脚を見せることができるだろうか。
今年も、灼熱のカクテル光線のなかで「日本祭り」が見られるだろうか――。
今週末のドバイミーティング(3月29日、UAEメイダン競馬場)には、8頭もの日本馬が参戦する。例年なら「参加することに意義がある」的な馬が散見されるのだが、今年はどの馬が勝っても不思議ではない精鋭揃いだ。現地時間では29日の発走だが、日本馬8頭のうち7頭が出る3つのGIは日本時間30日未明の発走となる。
まず、日本馬が出る3つのGIを発走時刻順に見ていこう。
日本時間30日午前1時39分発走予定のドバイデューティフリー(芝1800m)には、ジャスタウェイ、トウケイヘイロー、ロゴタイプの3頭が出走する。この時期にこの3頭が同じレースに出るのなら、1週後の産経大阪杯で、キズナやエピファネイア、メイショウマンボとやり合うところを見たかったなあ、なんて思ってしまう。それくらいいいメンバーだ。
大将格は、昨年の天皇賞・秋を圧勝したジャスタウェイ(牡5歳、父ハーツクライ、栗東・須貝尚介厩舎)。今、中距離で、この馬より強い馬が世界にいるのかな、と思うほど、天皇賞・秋も、それ以来4カ月ぶりの実戦となった中山記念も強烈な勝ちっぷりだった。中心はこの馬だろう。
前哨戦を有意義に使ったトウケイヘイロー、逃げ切れるか。
レースを引っ張るのは、武豊が騎乗するトウケイヘイロー(牡5歳、父ゴールドヘイロー、栗東・清水久詞厩舎)だと思われる。前走の中山記念は、ゲートのあくタイミングが合わずに出遅れ、途中からハナに立つ格好になり、本来の走りができず6着に終わった。
あの一戦を見て、私は2年前のドバイワールドカップを思い出した。トウケイヘイローと同じように、ハイペースの逃げを武器としていた武のスマートファルコンがゲートで脚を滑らせ、出遅れた一戦だ。途中からポジションを上げることもできず、後方のまま10着に惨敗。本番で初めて、「負けるとしたらこうなったとき」という形が出てしまった。
それに対してトウケイは、前哨戦で負けパターンが浮き彫りになったわけだから、トライアルをトライアルとして有意義に使うことができた、とも言える。
武が大逃げを打ち、後ろの騎手たちを慌てさせるシーンを見るのが楽しみだ。
昨年の皐月賞馬ロゴタイプ(牡4歳、父ローエングリン、美浦・田中剛厩舎)は、中山記念で3着に来て、立ち直った姿を見せてくれた。上昇度という点では前記2頭以上だろう。