Jをめぐる冒険BACK NUMBER
U-22アジア選手権、得点王を狙う
手倉森ジャパンの小さなエース。
text by
飯尾篤史Atsushi Iio
photograph byGetty Images
posted2014/01/20 16:30
10番を背負う、小さなリーダー中島翔哉。東京VからFC東京への移籍はホームを同じくする禁断の移籍だが、本人にとってはJ1への大きなステップアップになる。
出場機会を得るため、移籍という選択肢も。
そして「先のこと」のひとつが、FC東京への移籍であるということも明らかになった。下部組織から10年間在籍したクラブを巣立ち、J1という上のカテゴリーに挑戦する。
一方、1歳年上の原川は、2年間でリーグ戦10試合の出場にとどまっている。それゆえ、京都U-18時代から5年を過ごした京都を離れ、愛媛に期限付き移籍を果たした。
「この2年間、サンガのトップチームでやってきましたけど、練習だけだとどうしても見えてくるものが少なくて、充実感は得られなかった。今の自分は理想とはかけ離れているので、そのギャップを埋めるため、成長するために決断をしました」
国際舞台の経験は、時に選手を化けさせる。
プロ2年目、3年目のこの年代は、所属クラブでレギュラーとして常時出場するのは簡単なことではない。そのため今オフ、新しい環境を求めたのは、彼らふたりに留まらない。左サイドバックの山中亮輔はJ1の柏からJ2の千葉に、右サイドバックの松原健はJ2の大分からJ1の新潟に期限付き移籍した。
また、16歳でFC東京とプロ契約を結んだ幸野志有人は、大分、町田、長崎と武者修行を積み、このオフ、満を持して古巣に復帰した。その幸野が言う。
「以前、FC東京にいた頃は練習でできることが、試合でうまく出せなかった。でも、今は違う。ずっと試合に出させてもらって、自信を持ってプレーできるようになった。少しは成長したと思うので、その成果をFC東京で見せたいですね」
国際舞台で掴んだ自信や手応えは、ときとして若い選手を化けさせることがある。だがそれも、クラブという日常で、試合に出場してこそのものだ。
異国の地で日の丸を付けて奮闘する姿を見届けたあとは、Jリーグで躍動する彼らのプレーに注目したい。