リーガ・エスパニョーラ最前線BACK NUMBER
無敗の首位で非難される新生バルサ。
スタイル論争にみる「追う者」との差。
text by
横井伸幸Nobuyuki Yokoi
photograph byGetty Images
posted2013/11/13 10:30
リーガ開幕直後に行なわれたスーパーカップでは、2戦トータル1-1ながらアウェーゴールによりバルサが勝利。次回リーガでの対戦は、年明け1月12日の予定。
速い攻撃はあくまでもバリエーション?
――今季のプレースタイルについてあなたはどう思っていますか?
ピケは、従来のスタイルは「決して譲れない」ものだとした上で、バルサのサッカーは予測可能になってしまったから「バリエーションは必要」と答えた。
アウベスも「以前のプレーはモノトーン」だったから敵に「止め方を発見されてしまった」が、「いまは変化を付け」、それが結果に繋がっていると答えた。
シャビは「アイデアもシステムも変わっていない」とし、それはマルティーノの意志でもあって、「僕らがスタイルの変更を考えるなんてあり得ない」と強調した。彼にとっても今季の速い攻撃はバリエーションということだ。
たしかにトレードマークとなった「ボールポゼッション」ではなく、その目的である「試合のコントロール」こそがバルサのプレースタイルというならば、彼らの言い分はもっともである。またその前提で、カウンターはボールポゼッションと同様に有用であるとするエル・ノウ・エスポルティウ紙のようなメディアもある。
追うアトレティコも、新たなバリエーションを。
いずれにせよ、無敗で首位に立ちながら外野に否定的な態度をとられるチームは、世界広しといえどもバルサぐらいだろう。このままシーズン終盤まで首位を独走し、タイトルを獲得しても、プレースタイル論争は続くに違いない。
ところで、プレースタイルの変化といえば、バルサを追いかけるアトレティコにも起きている。正確にいうと、こちらもバリエーションの活用だ。
アトレティコのシメオネ監督はバルサとは異なり、スペースの支配をもって試合のコントロールを目論む。ボール支配率は「ただの数字であって、大事なのはゴールチャンス」というスタンスだからボール保持には拘らず、守備から試合を組み立てカウンターで得点を狙う。