リーガ・エスパニョーラ最前線BACK NUMBER
無敗の首位で非難される新生バルサ。
スタイル論争にみる「追う者」との差。
text by
横井伸幸Nobuyuki Yokoi
photograph byGetty Images
posted2013/11/13 10:30
リーガ開幕直後に行なわれたスーパーカップでは、2戦トータル1-1ながらアウェーゴールによりバルサが勝利。次回リーガでの対戦は、年明け1月12日の予定。
繋ぐことも、守ることもできるアトレティコの変容。
だが11月3日に行なわれた第12節アスレティック戦では約57%の支配率でボールを繋ぎ、2ゴールを決めて完勝した。その前節グラナダ戦も同じく2得点で勝利しているが、そのときのボール支配率はおよそ32%と、いつものように低かった。
「グラナダでは真剣に守らねばならないのがわかっていたから、攻撃陣が点を取ってくれるのを待った。でもアスレティック戦は主導権を握って、相手に攻めさせないようにしなければならなかった」
センターバックのゴディンは試合ぶりの違いについてこうコメントしたが、注目すべきは必要に応じてバリエーションで勝負する力がチームについたことだろう。一本調子でなくなったことは、マドリーの上に立ってバルサのハイペースについて行くためには重要だ。
ちなみに今季唯一の負け試合、第9節のエスパニョール戦でもアトレティコはボールを保持したが(支配率は50%以上)、「プレースタイルを変えたせい」と叩かれたりはしなかった。バルサやマドリーと並ぶ全国規模の人気クラブにもかかわらず、外部からの要らぬプレッシャーが少ないという点で、アトレティコは恵まれている。