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ザックジャパン、グアテマラに3-0。
収穫は選手たちに見えた「危機感」。  

text by

二宮寿朗

二宮寿朗Toshio Ninomiya

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photograph byTakuya Sugiyama

posted2013/09/06 23:00

ザックジャパン、グアテマラに3-0。収穫は選手たちに見えた「危機感」。 <Number Web> photograph by Takuya Sugiyama

3点目が入り試合の決着がついても、この日の日本が攻撃の手を緩めることはなかった。コンフェデがもたらした危機感と集中力が、チームを変えたのだ。

「楽しみながらプレーしてくれ」

 アルベルト・ザッケローニ監督は、試合後の会見で守備について満足そうに語った。

「チームのプレッシングが効いた。MFがアグレッシブに行ってくれた。グアテマラはMFを5枚並べて数的優位をつくろうとしたが、真ん中のところでよく頑張ってくれたと思う。(日本は)DFとMFのラインの距離感を縮めて、縦だけじゃなく、横の距離感も良かった」

 指揮官は「前線からしっかり守備をしてほしい」「相手を追い掛け回すのではなく、適正なタイミング、ポジションでアプローチをかけてほしい」と言った他に、こう指示を出していたという。「楽しみながらプレーしてくれ」と――。

 危機感、そして楽しもうとする意識。そういった意味では精神面でもいいバランスが取れていたように見えた。

「W杯優勝」の覚悟をピッチ上で再確認できた試合。

 格下との一戦とはいえ、重要な意味合いを持つ試合だった。

 ブラジルW杯まであと1年。残りはすべて「フレンドリーマッチ」だ。

 その名のとおりフレンドリーに戦ってしまえば、本田圭佑や長友佑都たちが公言する優勝という目標は絶対に達成できない。

 50分に生まれた先制点は、その長友が上げたクロスに、本田が頭で合わせたもの。この日の長友は縦に勝負し、守備でも全速力で戻っていた。彼のプレーに「フレンドリーマッチ」という意識は見えなかった。

 彼らの「優勝」の覚悟が本物であることをあらためて思い知ることができた。

 ピッチ上には、強豪と戦って厳しい現実を突きつけられ、それでも必死に前を向こうとするチームの姿があった。

 確かに、グアテマラ相手では“参考外”かもしれない。だが、それを差し引いても収穫の多い試合だったのではあるまいか。ただ、本格的な評価は次戦の相手であるガーナに内容と結果を伴うゲームをしてこそできるというもの。

「継続してやれることを期待している」とは指揮官。

 アフリカの強豪との勝負は、チームの今後を占う大事な大事な一戦となる。

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