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生まれも育ちも英国の逸材。
U-16で感じた可能性。
~サイ・ゴダードに見る日本の未来~
text by
浅田真樹Masaki Asada
photograph byMasato Fujita
posted2013/09/09 06:00
イギリス人の父と日本人の母を持つサイ。インサイドハーフとして、2位という結果に貢献。
8月の豊田国際ユースサッカー大会で準優勝したU-16日本代表に、ちょっと変わった名前を見つけた。サイ・ゴダード。所属にはイングランドの名門、トッテナムとある。最近では年代別代表に“ハーフ”の選手が珍しくないが、サイもまた、そのひとりだ。
とはいえ、この小柄なMFのケースが珍しいのは、海外で育ち、日本でのプレー経験を持たない選手だということ。当然、日本語もほとんど話せない。こうした選手が年代別とはいえ、日本代表に選ばれるのは初めてのことではないだろうか。
まずは単純に言葉の心配をしてしまうが、吉武博文・U-16日本代表監督によれば、「問題ない」。練習でメニューの内容が十分に伝わらなかったとしても、「一番うまくやるのはサイなんです」と吉武。チームメイトからも「言葉は通じないけど、見て感じてくれるのでやりやすい」という感想が聞かれた。何よりサイ自身が、日本での代表選出に「ワクワクした」と言い、実際にプレーしてみて「チームや他の選手のスタイルを気に入っている」と話してくれた。