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“本気のウルグアイ”に喫した4失点。
9月の2試合を守備的に戦うべきか? 

text by

矢内由美子

矢内由美子Yumiko Yanai

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photograph byTakuya Sugiyama

posted2013/08/16 11:45

“本気のウルグアイ”に喫した4失点。9月の2試合を守備的に戦うべきか?<Number Web> photograph by Takuya Sugiyama

試合後に本田は「(吉田)麻也や今ちゃん(今野泰幸)は責任感が強い2人だから。ここで皆してあまりネガティブなことを書かずに……(彼らも)反省していると思うからね」と、守備陣をかばった。

最大の収穫は、FW陣が見事に連動していたこと。

 一方で、惨敗にかき消されがちではあるが、収穫もあった。

 ウルグアイほどの強固な守備ブロックに対しても、本田や香川真司、岡崎慎司を中心に、素早いパス回しと息の合った連動でチャンスを作っていた。

 54分の香川のゴールは遠藤、本田がワンタッチでつなぎ、岡崎がつぶれたこぼれ球を香川が流し込んだもの。72分には本田がザックジャパン初となる直接FKで2点目を入れた。この他にも岡崎、柿谷にビッグチャンスがあった。

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 引いた相手との試合では、アジアレベルでも苦労していた以前の日本代表を思えば、着実な進歩だと言える。オープンな展開になったとはいえ、シュート数はウルグアイの18本に対し、日本は20本だった。

 1トップの柿谷も、ボディコンタクトされたときは東アジアカップのようにはいかなかったが、キープ力や非凡なアイデアといった自身の特徴を出すことはできていた。今後レギュラー陣との融合が深まれば、さらに良くなっていくだろう。

ついに、日本は「W杯で対戦する場合」を想定されるレベルになった。

 ウルグアイ戦で感じた率直な印象はもう一つある。

 日本の立ち位置が、以前より世界のサッカー界の中心へと近づいて来ているということだ。

 5月30日に対戦したブルガリアに続き、今回のウルグアイもベストメンバーを組み、高いモチベーションで日本にやってきた。日本での親善試合で、ここまでガッツリ来る相手は、以前はそうそういなかった。

 もちろん、ブルガリアもウルグアイもワールドカップ予選でボーダーラインにいるという背景は共通しているが、“本気”の理由はそればかりではないはずだ。

 ザックジャパンがどのような特徴を持ち、どのようなレベルのサッカーをするのかが知られた結果、日本はしっかりとスカウティングをすべき相手であり、「ワールドカップで対戦する場合」を想定する相手でもあるという認識を持たれているのだ。

 だからこそ課題が浮き彫りになったわけだが、次に目を向けるべきは、9月の2試合でザッケローニ監督はどういう手を打つかということだ。

 10カ月後に迫ったワールドカップへ向け、日本代表はいかにしてさらなるシナジーを生み出していけるか。選手はもちろん、指揮官の手腕が試される。

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