自転車ツーキニストのTOKYOルート24BACK NUMBER
自転車女子やカップルも増えた!
ブームを実感「東京アースライド」
text by
疋田智Satoshi Hikita
photograph bySatoshi Hikita
posted2010/10/23 08:00
アースライドは、緩い結びつき、バラけた感じが心地よい。
これが「イベント」に大いにそぐわない。自転車イベントは「一列になって車道左端をぞろぞろ」という格好となり、かくして自転車イベントは必ず「自転車渋滞」になってしまうのだ。
休日の都心は、クルマが割合すいすいと走っていく。それを横目で見つつ、我々自転車は渋滞中。いつも見る風景の真逆だ。
だから、東京の自転車イベントは必ずストレスがたまる。「もう参加しない」ということになる。リピーターが増えない理由はここにある。
ところが、このアースライドに限っては、そのあたりが完全にクリアされてるわけだ。
チェックポイントでは「おや、また会いましたな」なんてことになるが、コース選びは千差万別。だから、それぞれがそれぞれの決めた道路にばらけていく。
一見、関係のない自転車人たち。だが、同じイベントに参加している。いわば「緩い連帯」とでもいうべき絆、この程度の結びつき、バラけようが気持ちいい。
中島みゆきの歌にもありますね。互いの姿は見えなくったって、互いに同じ海を渡っていく同志だ、二隻の舟だ、と。あれと似た感覚かな、アースライド。
って、形容がいささかマニアックすぎるし、大袈裟すぎました。
いよいよ集結してきた、「ラスト前・豊洲」
さて、愛宕、新橋、銀座を通り過ぎて、勝鬨にやってくると、あたりの風情は急速に「湾岸・東京」となってくる。「夏休みだ! お台場だ! だけど、レインボーブリッジが渡れない」の回で既にご紹介したコースに似てくるんだが、やや、勝鬨橋からは、川の向こうに、もう、はっきりとスカイツリーが見えるんだなぁ。
6つのチェックポイント、最終地点だけはお台場と決まっているから、すべての参加者にとって「ラスト・お台場」と、ここを通っていくしかない「ラスト前・豊洲」だけは、ほぼ決定づけられている。
だから、豊洲に向かって走っていると、だんだん自転車密度が上がっていく。交差点ごとに、おや、右からも、左からも、ここで2台、また4台、と、自転車が集まってくる。
ようやくここにいたって「オレは“オーバー・ザ・東京”の自転車イベントに参加しているんだ」というのが実感として分かってくる。おや、ご同輩、あなたもアースライド、こちらのあなたも自転車人……。
と、一人勝手に熱い思いを抱えつつ、豊洲のららぽーとに着く。ここのチェックポイントは、港側にある「アーバンドック」。板張りの上、一般客に混じって、ちょっと休んでいくサイクリストも多数いる。