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2位のレバークーゼンで準レギュラー。
サッカーに全て捧げる細貝萌の情熱。 

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ミムラユウスケ

ミムラユウスケYusuke Mimura

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photograph byREUTERS/AFLO

posted2013/01/12 08:02

2位のレバークーゼンで準レギュラー。サッカーに全て捧げる細貝萌の情熱。<Number Web> photograph by REUTERS/AFLO

高校時代はトップ下、浦和レッズではCB、SB、WB、ボランチ、アウクスブルクではボランチ、レバークーゼンでは主にSBでプレーしてきた細貝。どのポジションでも献身的なプレーを見せるが、今年はレバークーゼン、日本代表での「本職」ボランチでの定位置確保が期待される。

本田圭佑や長友佑都と同学年の細貝。

 1986年6月10日生まれの細貝は、日本代表でいえば本田圭佑や長友佑都と同学年だ。メディアでその活躍が事細かに伝えられる“同級生”たちのかげで、ひっそりと、それでいて徹底的にサッカーに対して生活の全てを捧げているのが細貝という選手なのだ。

 レバークーゼンの'12-'13シーズン後半戦は1月19日のフランクフルト戦で再開する。左サイドバックのレギュラー格であるカドレツが怪我から復帰する予定だ。さらに、しばらく実戦から離れていたために前半戦は思うように出場機会を伸ばせなかった、ポーランド代表の左SBをつとめる実力派のボエニシュもコンディションを上げてきている。そんな状況でも細貝が悲観することはない。

「確かに(左SBとして)自分が出られなくなる可能性は高くなるかもしれない。でも、そのおかげで練習のときから(本職である)真ん中のポジションでプレーできる回数は増えてくる。そういうポジティブなところがあるのかなと僕は思っていますけどね」

日本人サッカー選手の中でも群を抜くプロ意識こそが細貝の武器。

 4-3-3のフォーメーションを採用するレバークーゼンの中央には3つの椅子が用意されている。だが、そこにはドイツ代表のL・ベンダー、下部組織出身でドイツ代表経験もあるライナルツ、そしてチームのキャプテンであるロルフェスらがレギュラーとして立ちはだかる。決して簡単に奪い取れるポジションではない。

「左サイドバックというのはハジ(細貝)の理想のポジションじゃない。もっとも、(チーム事情により)少なくともウインターブレイクまでは左サイドバックでプレーすることになるだろう。ただ、ハジが今やってくれているのはすごいことで、褒めたたえないといけないことなんだ」

 昨年11月にそう語っていたレバークーゼンのレバンドフスキ監督。

 2012年最後の試合となったドイツカップのヴォルフスブルク戦では、細貝を中盤の底、アンカーのポジションで起用している。

 多くの日本人選手のブンデスリーガ移籍にかかわってきた代理人のトーマス・クロートは日本人選手の持つ魅力の一つに、サッカーに取り組む姿勢を挙げる。プロ意識が高く、節制をして、サッカーに真摯に取り組むのが日本人の大きな「武器」というわけだ。

 レバンドフスキ監督のコメントからも細貝のサッカーに取り組む姿勢が高く評価されていることは明らかだろう。

 細貝は、日本人選手の中でもトップクラスのプロ意識を「武器」に、リーグ2位のクラブの能力の高い選手がひしめくポジションで戦っていこうとしているのだ。

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