オリンピックへの道BACK NUMBER
「金1」惨敗からリスタートの柔道。
再建のために“オープン”な検証を!
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph byAFLO
posted2012/11/19 10:30
初仕事となる講道館杯の視察に訪れた井上康生新監督(手前)と重量級のコーチに就任した鈴木桂治氏(奥)。「気になった選手やこれから期待したい選手はたくさんいる」と大会を振り返った。
日本柔道を再建するのは監督一人の力では困難だ。
だから、今回の人事の意図も明確ではない。
男子の監督は、篠原信一氏が続投する路線が濃厚だったところ、強い辞退により、急きょ、井上氏になった経緯がある。そもそも、ロンドン五輪における強化の責任者であった吉村和郎強化委員長が、五輪直後は辞任を示唆しながら、強化担当理事という新たな職に昇格した理由もあいまいだ。
監督就任にあたって、井上氏はこう語っている。
「先輩方の技術、練習方法を受け継ぐことも重要ですが、時代は流れています。今に合ったものを考えていかなくてはいけないと思います」
今後への問題意識を持っていることがうかがえるし、ロンドンでコーチを務めた際も、選手からの信頼もあったと聞く。
ただ、ことは監督一人の問題ではない。
ロンドンまでの4年をどう検証するか、したのか、それがこれからの4年を決めることになる。