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<女王・谷亮子の提言> 「勝つために日本柔道がすべきこと」 

text by

赤坂英一

赤坂英一Eiichi Akasaka

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photograph byNanae Suzuki

posted2012/08/30 06:01

<女王・谷亮子の提言> 「勝つために日本柔道がすべきこと」<Number Web> photograph by Nanae Suzuki

日本にとって有利になるはずのルール改正があった!?

 そうしたことから日本が世界に取り残されつつあるという見方もありますが、もっと前向きに捉えるべきです。ジュリー制度にしても、私としてはプラスに考えていますよ。

 これだけ柔道の技がハイレベルになって、展開がスピードアップすれば、0コンマ何秒が勝負やポイントの分かれ目になってくる。当然、審判の方々の目がついていかない部分も増えるでしょう。そこをビデオ判定やジュリー制度でチェックできるなら、選手にとってはいいことじゃないですか。

 実は、ロンドンの前にルール改正も行なわれていて、これも日本にとって有利になるはずでした。外国人はいきなり「足取り」や「双手刈り」にくる選手が多かったのが、即座に反則負けとされるようになりましたからね。さらに、がっちり組まないとすぐ「指導」がくる。日本は組み合って一本を取るスタイルなので、プラスになるところが大きかった。

力勝負で一本負けより、ポイントを積み重ねて勝ってもいい。

 ところが、実際に試合が始まってみると、外国は一本を取る勝負に備えてパワーアップしていた。日本は力勝負で太刀打ちできず、一本負けするケースが目につきました。

 だから、これからはポイントを積み重ねて勝つ選手がいっぱい出てきてもいい。勝負は勝たないと意味がないのだから、いろいろな勝ち方があって然るべきです。「心技体」の「心」を強くすると同時に、新しい勝ち方を研究していく必要もありますね。

 もう日本の「柔道」は世界の「JUDO」になっています。'08年北京五輪以降はIJFが世界ランキング制度も導入し、年々変革が進んでいる。そうした時代に外国を敵と見て戦うだけでは進歩がない。日本の柔道に何ができるかだけではなくて、世界のJUDOにどれだけ貢献できるかを考えるべきです。

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