日本代表、2014年ブラジルへBACK NUMBER
ザックも本田も「日本が上だった」。
全て想定内でも勝てなかった豪州戦。
text by
二宮寿朗Toshio Ninomiya
photograph byShigeki Yamamoto
posted2012/06/13 13:50
「ハッキリ言えるのは、オーストラリアよりも僕らの方が良いサッカーをしていたということ」と試合後に言い放った本田圭佑。今回ばかりは傲慢ともとられないのでは!?
「蹴ってくるのは想定内」だったはずなのだが……。
押し込みながらも決定的なシュートまでなかなか持ち込めないオーストラリアと、押し返しながら意地でもシュートまで持ち込もうとする日本。
日本はピッチの感触がつかめずパスミスが多かったものの、左右に揺さぶりながらサイドを崩してクロスを送る形もあった。前半は0-0で折り返すこととなったが、日本が流れをつかみつつあることだけは感じられた。
「蹴ってくるのは想定内。セカンドボールへの反応の速さ、競り合いの質の高さから(前半に)チャンスは2、3回つくられた。そこは課題だけど、失点がなかったことはよかった」と本田自身、猛攻を耐え切ったことに手ごたえを得ていた。
先制点は、スカウティング通りのショートコーナーから。
後半に入ると、一気にゲームは日本ペースへと傾いていった。
10分、途中出場のミリガンが2枚目のイエローで退場し、ケーヒルが中盤まで下がってくるようになると日本がボールを保持する時間が長くなる。そして後半20分に待望の先制点が生まれるわけである。
本田がショートコーナーから長谷部とのパス交換で抜け出し、ファーサイドでフリーになっていた栗原勇蔵にパス。それを栗原がきっちりと決めたわけだが、日本はそれまでもショートコーナーを狙っていた。本田は試合後、「分析の結果、ショートコーナーを相手は嫌がるということだった。監督にも言われていた」とスカウティングどおりのミッションだったことを明かした。
相手のディフェンスラインの前にスペースがあるというのも想定していたこと。
しかしペナルティーエリアまで何度か迫るも、そこから縦に入れる呼吸がなかなか合わない。外で回す時間が長いという悪癖も顔をのぞかせた。
チャンスは作れども、1人多い状況になってからはシュートにいいリズムでつなげない。もどかしい展開が続くなか、後半25分に内田篤人が相手をつかんだとしてPKを取られ(ファウルではないと思うが……)、そこで同点に追いつかれてしまう。