Jリーグ観察記BACK NUMBER
大宮アルディージャvs.セレッソ大阪。
2つの“非常識”に見た欧州との違い。
text by
木崎伸也Shinya Kizaki
photograph byNIKKAN SPORTS
posted2011/09/24 08:01
9月18日に行われた大宮アルディージャ対セレッソ大阪戦。ドリブルで切れ込むセレッソ大阪の播戸竜二を囲む大宮の守備陣。試合は両チームともに決定打を欠き、0-0のスコアレスドローに終わった
議論することでリーグの哲学が確立されるはずだが……。
選手の経験という意味でも、土日にJリーグに出場し、すぐに予選に臨むという過密日程はのちの大きな財産になったはずである。仮に五輪予選の初戦がマレーシアでなく、韓国やオーストラリアといったアジアのトップクラスの強豪だったとしても、今回のような処置はすべきではなかったと思う。
もったいないのは、こういう議論の火種があるにもかかわらず、それが大きな火にはならないことだ。
浦和レッズの柱谷幸一GM(9月12日付けで解任)が原口元気や山田直輝を週末の試合に戻すことを求めたが、あっさりと日本サッカー協会の原博実技術委員長に退けられた。
ヨーロッパであれば、ここでメディアを含めての大騒動になるはずだ。
議論することで、リーグとしてのあり方が磨かれ、価値判断の基準が確立されていく。伝統に縛られてないことのメリットを生かしつつ、それでいてもっと哲学にこだわり、議論する姿勢が、これからのJリーグには求められるのではないだろうか。