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森保ジャパン「カタール大会PK戦の2つの敗因」をスポーツ心理学者が発見…日本代表「W杯優勝」への課題を浮き彫りにした“あるデータ”とは?

posted2025/04/26 11:05

 
森保ジャパン「カタール大会PK戦の2つの敗因」をスポーツ心理学者が発見…日本代表「W杯優勝」への課題を浮き彫りにした“あるデータ”とは?<Number Web> photograph by Kiichi Matsumoto/JMPA

日本代表が前回大会でPK戦に敗れたのは「運」だったのか? スポーツ心理学者が発見したPK戦勝者と敗者の明確な「違い」を解説する

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史上最速で北中米W杯出場を決めて意気上がるサッカー日本代表。目標は大きく「優勝」を掲げているが、本気で優勝を目指すなら絶対に欠かせない要素がある。それが「PK」だ。
スポーツ心理学者、ゲイル・ヨルデット氏の新刊『なぜ超一流選手がPKを外すのか サッカーに学ぶ究極のプレッシャー心理学』は、タイトル通り、世界最高レベルの選手たちがなぜ大一番でPKを失敗してしまうのかを、無数のPKのケーススタディから心理学的に解き明かす絶好の一冊として話題だ。なかでも注目の、「カタールW杯で日本代表がPK戦に敗れた理由」を考察している部分を抜粋して紹介していこう——。〈全2回の1回目/2回目を読む
『なぜ超一流選手がPKを外すのか サッカーに学ぶ究極のプレッシャー心理学』(小社刊)書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプしますなぜ超一流選手がPKを外すのか サッカーに学ぶ究極のプレッシャー心理学』(小社刊)書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします

 サッカーで、勝負がPK戦に持ち込まれることは意外に多い。W杯、EUROといった主要大会の決勝トーナメントでは、2~3割の試合がPK戦にもつれこむ。北中米W杯から、優勝するためにはトーナメントで5回試合をしなければならない。

 である以上、決勝まで勝ち進むとすれば少なくとも1回はPK戦を経験する確率はかなり高いだろう。思い出してほしい。日本代表はこれまでW杯で4回ベスト16に進出したが、うち2回(2010年南ア大会、2022年カタール大会)はPK戦で敗北したのだ。

カタールW杯での5回のPK戦を分析

 著者のヨルデット氏は、カタールW杯でのPK戦を仔細に分析したという。

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《わたしは、ワールドカップ・カタール大会で行われた5回のPK戦について、未編集の映像資料を観る機会に恵まれた。選手にズームしたものなど、さまざまなアングルから映した見やすい映像がそろっていたため、ピッチで何が起こっていたかを余さず確認できた。

 その映像を体系的に調べることで、少なくともPK戦が始まる前の2、3分間、監督が選手に何を伝え、どう支えていたかを正確に把握できた。》

 そこでわかったこととは何だったのか?

 ひとつは、意外なようでもあり納得できるようでもある、ある事実だった。

【次ページ】 監督の指示が長かったほうのチームが全敗!?

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