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“最高評価”自由獲得枠で巨人入団…“世代No.1の逸材”野間口貴彦はいま何している?「巨人を選んで後悔はない」でも「オレンジ色はもう…(笑)」
posted2025/04/28 11:04

現在オイシックス新潟でコーチを務める41歳になった野間口貴彦。世代No.1の前評判で巨人に入団したが、プロ生活は順風満帆とは行かなかった
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沢井史Fumi Sawai
photograph by
Fumi Sawai
社会人野球のシダックスで野村克也監督の薫陶を受けて活躍し、2004年のドラフト会議で、自由獲得枠で巨人に指名された野間口貴彦。2015年に現役引退し、現在はオイシックス新潟アルビレックスBCでヘッドコーチを務める右腕に、波乱万丈だったプロ入りまでの軌跡と第二の人生についても聞いた。〈NumberWebインタビュー全3回の3回目/最初から読む〉
野間口貴彦は、05年に自由獲得枠で巨人に入団し、1年目は4勝を挙げた。だが、8年間在籍した中で、この4勝が1シーズン最多タイの勝利数となる。
想像以上だったプロの「レベルの高さ」
実際に巨人に身を置くと、それまで感じたことのないレベルの高さに圧倒された。
「当時のジャイアンツの投手層がすごかったんです。先発ローテに上原(浩治)さんや(高橋)尚成さん、久保(裕也)さんがいて、工藤(公康)さん……キャリアのある投手がたくさんいました。そこにFA選手やドラフトですごい投手が入ってきて、毎年のように外国人投手も入団してきて。そんな中で1年目、2年目で結果を残さないといけない。
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自分が選んで来たとはいえ、プレッシャーというより、すごいチームに来てしまったという感じでした。巨人に来たことに後悔はないですけれど、やれると思っていたことがなかなかできなくて。自信をなくす以前に、ここでやっていくにはどうしたらいいのか、常に考えていました。あの中でもっと我を出していけば良かったかもしれないですが、自分らしさはなくなっていましたね」
それでも良い出会いは多かった。
桑田真澄氏や工藤氏といったベテランの投手に食事に誘われることも多く、上原氏にも可愛がってもらった。ただ、常に自分自身には余裕がなかった。
その後、サイドスローにフォームを変えるなど試行錯誤の日々が続いた。