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プロ野球PRESSBACK NUMBER
巨人ファンが興奮「慎之助、まだイケるじゃねえか」密着記者が驚いた、阿部慎之助監督“試合前ルーティン”「なぜグローブ姿で“ボール拾い”をする?」
text by

谷川良介Ryosuke Tanikawa
photograph byHideki Sugiyama
posted2025/04/25 11:06

2年目を迎えたジャイアンツ阿部慎之助監督(46歳)。昨年は新人監督ながらリーグ優勝を果たした
「外野でトレーナーと話し込む姿はよく見ますし、試合前は『選手やスタッフ“全員と”話したい』と言っていました。こういう姿勢は今の阿部監督を象徴しているように感じます」
昨シーズン、新人監督ながらセ・リーグ優勝を果たした。クライマックスシリーズで敗れたことで、その偉業が忘れられてしまったようにも思うが、ある巨人OBは「ブルペンを復活させた功績は大きい」と、その手腕を高く評価している。要因には巧みな選手起用があった。今季は甲斐拓也、ライデル・マルティネスと日本一奪還に向けて積極的な補強戦略が目立ったが、これからの巨人を担う若手とのコミュニケーションに阿部流の真髄を垣間見ることができる。番記者が証言する。
「コーチ陣とも密に連携を図ってますし、二軍監督を経験してきたので若手の特徴もよく掴んでいます。人を見て対応を変えているんですよね。たとえば、今季好調の山崎伊織(26歳)は勝気なタイプなので決して厳しく言わない。逆に温厚で、でも負けず嫌いな井上温大(23歳)には好投してもアメを出さない。接し方を変えているのはキャッチャー出身の阿部さんらしいところです」
「私たちも怒られる時はありますし…」
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実際、井上が今季3度目の登板で初勝利を挙げた15日のDeNA戦では、終盤に二塁打を痛打されたことで厳しく詰め寄るシーンが映し出された。一方で戸郷翔征不在の今、巨人の勝ち頭となっている山崎にはベタ褒めのコメントがニュースの見出しになっている。アメとムチの使い方が絶妙だと記者は言う。
「私たちも怒られる時はありますし、今日はごめんと言葉少なに帰宅する日もあります。でも、日頃に積み重ねた関係があるから、記者たちもその行動を読み取ろうとする。若手もメッセージを受け取りやすいのではないでしょうか」
東京ドームの試合前、早々に打撃練習を終えた中山礼都(23歳)には笑顔でボールを投げ返し、調子どうなんだ?とばかりにイジリを見せた。ムードメーカー萩尾匡也(24歳)のあいさつにはあえて気づかないフリをしてからかう。過度なプレッシャーを与えぬよう接することが生き生きとした空気につながっているのだろう。