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「オリックスで良かった」西川龍馬がFA移籍2年目で覚醒…ヒット量産の秘密と“メジャー断念”の真相とは「行きたかったです。でも…」
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米虫紀子Noriko Yonemushi
photograph byJIJI PRESS
posted2025/04/22 11:02

今季好調のオリックス・西川龍馬
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並外れたバットコントールを操って…
今季の開幕戦の日の練習中、フリー打撃を終えた西川に打撃投手が何か謝っていた。この日は思うようにストライクゾーンに投げられなかったようだ。
だが西川は、「全然大丈夫。どこでも打つよ!」とまったく意に介していなかった。実際、西川にはそれができてしまう。
西川は「試合になったらどこに来るかわからないんで、そういう練習もしとかないと。相手は真ん中ばっかり投げて来ないから。だから僕は別に(打撃練習で)どこに投げてきても気にしないですね」とこともなげに言った。
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難しいボール球もヒットにしてしまう並外れたバットコントロールの持ち主だからこそ。昨年はその打てるストライクゾーンの広さがあだになることもあったが、今年はバットコントロールを活かして粘った上で、ヒットに結びつけるシーンが増えている。
「オリックス移籍」決断に後悔はない
「もうちょい打ちたいですけど、でもあまり考えすぎんようにやっています。打ち取られてもしょうがない。100%打てるわけじゃないから。そこは割り切っています」
苦しかった昨年も、オリックスへの移籍を後悔したことはなかったという。
「自分で来たいと思って来たんで。それに、そんなに毎年毎年いいとは限らない。その悪い年が去年だったというだけ。ただ自分が技術不足なだけ」と潔い。
誰のせいにもせず、後ろを振り向かず、ただ研ぎ澄ました技術で道を切り拓く。本来の凄みを見せつつある今年、西川が打線のキーマンになりそうだ。
