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「オリックスで良かった」西川龍馬がFA移籍2年目で覚醒…ヒット量産の秘密と“メジャー断念”の真相とは「行きたかったです。でも…」
posted2025/04/22 11:02

今季好調のオリックス・西川龍馬
text by

米虫紀子Noriko Yonemushi
photograph by
JIJI PRESS
開幕ダッシュに成功し、首位をキープするオリックスの練習中のベンチに、星条旗をイメージしたようなカラフルな柄のグラブが置かれていた。ピンク色で「我慢」という文字も刺繍されている。最前列の通路脇。確か、西川龍馬の席だ。
バッティング練習を終えた西川がベンチに戻ってくると、その星柄の練習用グラブを手に取り、宗佑磨とキャッチボールを始めた。
練習後に話を聞くと、「アメリカ好きなんで」と笑った。
秘めていた「メジャー」への思い
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昨年のキャンプでも、同じような会話をしていた。
西川が2023年オフに広島からオリックスにFA移籍して初めてのキャンプ。目を引いたのは、星条旗柄のド派手なソックスだった。
「アメリカ好きなんですか?」と聞くと、「好きっすね」と即答した。
つい「メジャーも?」と聞いてしまった。
「行きたかったです。でも、タイミングが合わなかったんで。行くとしたらポスティングだったんで。球団とかいろんな兼ね合いがあって……無理でした。行けていたら行ってたかもしれないです」
順調に行けばあと1シーズンで海外FA権を取得できたが、それを待たずに国内FA権を行使した。悩んだ末の決断だった。
「もう(2024年に)30歳になるんで。行けるなら、30までに行きたいなと思っていたから。やっぱりあっちも若い選手が欲しいと思うんで……。(オリックスで)よかったと思います」