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猛牛のささやきBACK NUMBER
3連覇→5位のオリックス…中嶋聡監督が口にした「慣れ」はどこにあったのか「めちゃくちゃ悩みました」残留したコーチが率直に語った“葛藤”
posted2024/11/12 11:03
text by
米虫紀子Noriko Yonemushi
photograph by
Nanae Suzuki
低迷していたオリックスをリーグ3連覇に導いた中嶋聡監督の退任の決断は、選手だけでなくコーチ陣をも揺るがした。
厚澤和幸投手コーチは言う。
「驚きました。ただ、責任感が強い人だというのは知っていますし、だいぶこたえていたのも感じていましたので……。いろいろなことを踏まえると、そうなのかなと」
中嶋監督の残した言葉
今季は主力選手に怪我が相次いだ。それでも投手陣はルーキーや移籍加入した選手が戦力となって奮闘し、リーグ2位の2.82という防御率で踏ん張ったが、シーズンを通して打線が振るわず、援護できなかった。ただ、中嶋監督が重く捉えたのはその点ではなかったようだ。シーズン最終戦後のミーティングで退任の意思を告げた指揮官は、こんな思いをにじませていたという。
「当たり前のことを、当たり前にできなくなったのはみんなの責任でもある。これを繰り返しちゃいけない」
その後の取材で「慣れ」という言葉を発したことも報じられた。指揮官の残した言葉を選手やスタッフは重く受け止めている。
森友哉は、「いい意味の慣れと、悪い慣れと、両方あったのかなと。勝ちにこだわってやるところは変わらず頑張ってやってきたと思うんですけど、慣れがダレに変わったみたいなところはたぶんあったのかなと思います」と神妙な表情で省みた。