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「望外の結果でした」藤井聡太14歳“衝撃の七番勝負”で唯一勝ち、“逆転負け失冠”直後「藤井さんにVSメールを…」名人挑戦・永瀬拓矢の凄み
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NumberWeb編集部Sports Graphic Number Web
photograph by日本将棋連盟
posted2025/04/09 17:51

藤井聡太と永瀬拓矢。長年の研究パートナー同士で知られるカードが、名人戦で実現している
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藤井から見て2勝1敗で迎えた王座戦第4局、この一局は王座防衛へ土俵際に立たされた永瀬が気迫の戦いを見せ、リードを奪って終盤の1分将棋を迎えた。放映するABEMAが示すAIの評価値は「永瀬90%超」となっていたが、藤井が放った「5五銀」を契機に大逆転が起き、歴史的な藤井の八冠全冠制覇という結末を迎えた。
対局直後こそ憔悴しきった表情の永瀬だったが――藤井との感想戦を終えたのち、旧知の記者である大川慎太郎氏の電話取材に応じた。衝撃的な逆転負けとともに、失冠という厳しい現実を突き付けられた。それでも……。
「確かに痛みはあまりないですね。ベストを尽くせているのが大きい。普段の勉強を全部ぶつけられましたから」
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自らの将棋を表現できたことに、納得していたようだ。
「常人じゃ藤井さんに勝てない」
永瀬のタフさを象徴するのは先に挙げた言葉だ。
タイトル戦期間のために中断していた、藤井とのVSを早速再開させようという意欲。これこそが永瀬の将棋を突き詰める、唯一無二の姿勢と言える。その後のタイトル戦でも大川記者に対して「経験を積まないと、常人じゃ藤井さんには勝てません」、「でも藤井さんを人間と見てはいけないんですよ」といった言葉を残した永瀬が、藤井と戦うことでどんな言葉を残すかにも注目が集まる。〈将棋特集:つづく〉
