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「プロ野球監督の年俸低い説」巨人阿部監督、日本ハム新庄監督は1億5000万円だが…ドジャース・ロバーツ監督“12億円”に「12球団合計でも負ける衝撃」
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生島淳Jun Ikushima
photograph byGetty Images
posted2025/04/07 11:07

4月2日のブレーブス戦、サヨナラホームランを放った大谷翔平を祝福するロバーツ監督(52歳)
「彼は成功しか知らない。確かに動揺して失望したと思う。だが、プロとして仕事に戻らないといけない。先発が2度よくない投球するのは、よくあることだ。これはすべてが成長曲線につながる」
続いて「彼は新しい環境で印象を残したいと思っている」と話してから、
「まだ完全に適応しているとは言い難い。これは成長過程なんだ。初めてメジャーでプレーする選手だし、今後良くなっていく。今は考えすぎず、ただ彼をサポートして準備を整えていく」
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そして4月5日のフィリーズ戦で佐々木は4回0/3を投げ、改善の兆しを見せた。ロバーツ監督は「相手は待球作戦に出ている。ストライクを先行させられれば、その筋書きをひっくり返すことが出来る」と佐々木の先発を評価した。
戦力充実のドジャースだけに、佐々木の起用、育成に関しても余裕が感じられるコメントだ。東京シリーズでも「朗希には余計なプレッシャーを与える必要はない」と話していたが、人事面で柔らかなアプローチを心掛けていることがうかがえる。今後、このソフトアプローチがどのような結果を生むのか、注目される。
「ロバーツ監督12億円>プロ野球12球団の合計」
そしてドジャースは、3月11日にロバーツ監督との契約を2029年まで延長したと発表した。今季が契約最終年だったが、新たに結ばれた4年契約の年俸総額は3240万ドル(約48億円)で、1年あたりの平均は810万ドル(約12億円)となった。
12億円! これはメジャーリーグの監督の年俸としては史上最高額のものだ。
このロバーツ監督の年俸を見て、日本の監督はどれくらい給料をもらっているのか気になって調べてみた(数字はすべて推定)。
巨人 阿部慎之助(46)1億5000万円
日本ハム 新庄剛志 (53)1億5000万円
横浜 三浦大輔 (51)1億500万円
ヤクルト 髙津臣吾 (56)1億円
中日 井上一樹 (53)1億円
ソフトバンク 小久保裕紀(53)1億円
阪神 藤川球児 (44)8000万円
オリックス 岸田護 (43)8000万円
ロッテ 吉井理人 (59)8000万円
広島 新井貴浩 (48)7000万円
西武 西口文也 (52)7000万円
楽天 三木肇 (47)4000万円
12人の総額は……11億2500万円だった。
推定年俸、そして円安為替レートが関係しているとはいえ、12人が束になっても、ロバーツ監督には敵わないのである。
この金額の多寡は野球ビジネスの違いだけではなく、スポーツビジネスの規模の違いを示していると思うが、プロ野球の監督は極めてストレスフルな職業であり、日本の監督も金銭的により報われても……と思わなくはない。
約30億円も…ロバーツ監督より「もらっている監督」
ただし、ロバーツ監督の年俸は、アメリカのスポーツビジネスの世界では、決して最上位の年俸ではない。