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「またドジャースか」それでも…佐々木朗希が選んだ“世界一チーム”の魅力と秘密の育成システム「能力を引き出す」「朗希の負担は減らしながら」 

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五十嵐亮太

五十嵐亮太Ryota Igarashi

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photograph byNaoya Sanuki

posted2025/01/19 17:17

「またドジャースか」それでも…佐々木朗希が選んだ“世界一チーム”の魅力と秘密の育成システム「能力を引き出す」「朗希の負担は減らしながら」<Number Web> photograph by Naoya Sanuki

23年WBCで世界一となった佐々木朗希は大谷、山本と再びチームメートに

 おそらく交渉の中でドジャースは、彼を今後どのように育成していくかというプログラムも詳細にプレゼンしているでしょう。彼にとってその内容は期待を感じるものだったでしょうし、前年の山本を含めて、移籍してきた選手がドジャースで活躍する確率が高いという事実も、決断を後押ししたのだと思います。

能力を引き出す育成システム

 ドジャースは育成システムやコーチングなどがきめ細かく、アナリストにも優秀な人材が揃っているという話を聞きます。実際に、僕がメッツのマイナーにいた時に一緒にプレーしていたジャスティン・ターナー(24年からマリナーズ)は、当時そこまで目立つ存在ではなかったのにドジャースと14年にマイナー契約をしてから大ブレーク。長打も増えてドジャースの主軸として活躍するようになりました。

 昨年のスプリングトレーニングで会った時、その理由について聞いたらドジャースのコーチに出会って、自分の潜在能力をさらに引き出すための考え方やトレーニングの方向性が明確になったと言っていました。ピッチャーについてもドジャースに移籍して配球バランスが変わった、投球スタイルを変えて成績が上がったケースもよく目にします。

佐々木獲得のメリット

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 データ解析なども含めて選手の能力を引き出すためにどうすればいいか、というサポート体制がしっかりとできている。昨シーズン、山本が序盤に結果が出せず苦しんだり、故障を経て復帰する過程を見ていても、選手とのコミュニケーションがきめ細やかで、さまざまなノウハウがあるチームだということが伝わってきました。選手同士はさまざまな情報交換もしているでしょうから、信頼できる環境でアメリカでの第一歩を踏み出せるということは佐々木にとって重要なことです。

 ドジャースにとって佐々木を獲得した最大のメリットは「将来性」です。彼の素質からいけば、すぐにメジャーで活躍できることは疑いようもない。しかしそれ以上に、ゆくゆくはドジャースのエースになってくれるだろう、という先を見据えた期待感とポテンシャルの高さを評価しているのだと思います。

「絶対的」層が厚い先発ローテ

 先発ローテーションを見てみると、山本とタイラー・グラスノーに加えて、新たに獲得したサイ・ヤング賞左腕のブレイク・スネルの3人が軸になってくる。ここに大谷が復帰し、佐々木が加入し、契約がまとまってクレイトン・カーショーも入ってくれば、強力な布陣となる。

【次ページ】 「日本人3投手」鍵を握るのは…

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