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「青学大は上りが強い…」「全日本では凌げたが箱根駅伝は…」往路4位・駒澤大が青学大との差を感じた区間とは? 主力を襲った「誤算」と「異変」
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph byNanae Suzuki
posted2025/01/03 06:03
力を出しきれず謝るようなポーズで往路ゴールした駒澤大・山川拓馬(3年)。彼を襲っていたある「異変」とは
「調整のミスだな」
大八木総監督は、「調整のミスだな」と語った。
「5区は特殊区間なので、ある程度山を走る準備をしないといけないんです。でも、平地を走れるから大丈夫だろうと篠原(倖太朗・4年)と同じ2区の調整をやった。やはり、山で走れるようになるには、山を走らないと強くならない」
山の練習を平地の感覚でやってしまった
藤田監督もその言葉にうなずくしかなかった。
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「5区の練習を平地の感覚でやっちゃったのはあるかもしれないですね。走力がついた分、余裕度が生まれたんですけど、山だけは山の練習を始めいろんな準備をしないと、なかなか難しい。斎藤(将也・城西大3年)君も平地では走れるけど、やっぱり70分かかってしまうので、青学大とはそこの準備の差が出たなと思います」
かつて2代目・山の神の柏原竜二は、「5区にとらわれるのではなく、平地で走力を付けることが5区で走れるようになるために大事なこと」と語った。それはまさにそうなのだが、柏原は山での走りも夏に十分こなしていた。平地の走力=山の強さは、山の訓練があってこそ初めてリンクするものなのだろう。
エース篠原を2区投入の是非
「山川は誤算でしたが、2区の篠原も、彼の良さが活きる区間で本当は走らせたかった。改めて区間配置の難しさを感じました」
藤田監督は、悔しさを押し殺したような声で、そう言った。
篠原は当初から、自らエース区間を走ることを公言していた。駒澤大のエースとして、田澤廉(トヨタ)、鈴木芽吹(トヨタ)が歩んできた道を自らも進んでいく覚悟の2区だった。
エ-スが駆けた2区に、藤田監督は、どんな難しさを感じたのだろうか。