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「これは勝てんわ…」大谷翔平の焼肉会後に起きた“ある事件”「正直言ってライバル視していた」ドラフト2位の同期選手が悟った“翔平との差”―2024下半期読まれた記事 

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佐藤春佳

佐藤春佳Haruka Sato

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photograph byJIJI PRESS

posted2024/12/21 17:00

「これは勝てんわ…」大谷翔平の焼肉会後に起きた“ある事件”「正直言ってライバル視していた」ドラフト2位の同期選手が悟った“翔平との差”―2024下半期読まれた記事<Number Web> photograph by JIJI PRESS

2013年、キャンプで笑顔の大谷翔平と森本龍弥さん

必死でもがいたプロ1年目

 プロ1年目、森本さんはファームで必死にもがく毎日を送っていた。二軍戦94試合に出場し打率.130。ショートの守備では失策も重ね、プロの壁にぶつかっていたという。

「エラーをするとファイターズのファンからもヤジが飛んでくるんですよ。あの時は一番しんどかったです。がむしゃらにやっても全く結果が出ないし……」

 2年目は二軍で8本塁打をマークするなど少しずつ成果が出始めていたが、プロ3年目の2015年には右手関節のTFCC(三角線維軟骨複合体)損傷を負い、オフに縫合手術を受けた。リハビリを経てようやく回復にこぎつけた翌16年夏、待ちに待った復帰戦の試合前にアクシデントが起きた。

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「やっと復帰という試合前に、守備練習で顔面にボールを当ててしまったんです。イレギュラーしたわけではなかったんですが、緊張して足が回らなかったのか自分でこけてしまった。そこにワンバンしたボールが当たって左目の上が切れて、あっという間に血だらけでした。救急車で運ばれた病院で骨折と診断されて、そこからさらに2カ月くらい復帰できず……あまりにも災難続きで、厄払いに行ったほどでした」

「明日から札幌や」めぐってきたチャンス

 ようやくツキが回ってきたのはプロ5年目の2017年春のことだ。一軍の主砲だった中田翔(現中日)が故障離脱し、二軍戦15試合で3本塁打と好調を維持していた森本に白羽の矢が立った。4月13日ソフトバンク戦、プロ初昇格でいきなり初スタメンのチャンスを掴んだ。

「鎌ケ谷での試合後に、当時二軍監督だった田中幸雄さんに呼び出されたんです。『明日から札幌や』って。何のことか全く意味が分からなくて固まっていたら『一軍や』って。すぐに荷物を詰めて夜の便で札幌に移動しました。次の日、一軍の栗山(英樹)監督に挨拶に行ったら『スタメンだよ。行くよ』って言われて……」

 初打席の2回2死一塁で、バンデンハークのストレートを捉えてセンター前へプロ初安打。勝利した試合後は札幌ドームのお立ち台でヒーローインタビューを受けた。

「プロ野球ドリームを掴んだ、と思ったんですけどね(笑)。そこから7打席ぐらいヒットが出ず、(当時)西武の菊池雄星さんには2打席連続で3球三振。やっぱりプロは凄かった。あっという間に二軍に逆戻りでした。

 でも、今振り返ってもプロ野球人生で一番印象に残っているのは『明日から札幌や』というあの言葉かもしれない。田中さんは1年目から付きっ切りで教えてくれて凄く可愛がっていただいた。自分の初ヒットの瞬間も嬉しかったですけど、それよりあの時の田中さんとのやりとり、田中さんが喜んでくれたことが一番嬉しかった思い出です」

 この年のオフ、大谷は長年の夢を叶えメジャー挑戦を決めた。「次元の違う存在」ながら、プロ入りから5年間の時を共にした「入団同期」の旅立ち。その送別会の幹事を引き受けたのは森本さんだった。《後編に続く》

 

―2024下半期大谷翔平世代部門 BEST5


1位:「これは勝てんわ…」大谷翔平の焼肉会後に起きた“ある事件”「正直言ってライバル視していた」ドラフト2位の同期選手が悟った“翔平との差”
https://number.bunshun.jp/articles/-/864032

2位:大谷翔平につぐ“ドラフト2位”だった強打者は今「野球道具も全て友達にあげて…ニートでした」引退後に変化した“同期・大谷”への思い
https://number.bunshun.jp/articles/-/864031

3位:大谷翔平に4年ぶりのLINE「久しぶり、覚えてる?」その返事とは? 高校日本代表の同僚・大谷に“ある相談”、岡野祐一郎が中日のドラフト指名を受けるまで
https://number.bunshun.jp/articles/-/864030

4位:わずか4年で戦力外通告「マジか…もう1年やれるかと」まさかのドラフト指名漏れも経験、元中日・岡野祐一郎が初めて語る“スカウトに転身を決めた日”
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5位:「お前はもう無理や。諦めろ」戦力外通告の電話、金本知憲は言った…北條史也が明かす“同学年”大谷翔平、藤浪晋太郎への本音「鈴木誠也がいちばん可哀想」
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