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「これは勝てんわ…」大谷翔平の焼肉会後に起きた“ある事件”「正直言ってライバル視していた」ドラフト2位の同期選手が悟った“翔平との差”―2024下半期読まれた記事 

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佐藤春佳

佐藤春佳Haruka Sato

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photograph byJIJI PRESS

posted2024/12/21 17:00

「これは勝てんわ…」大谷翔平の焼肉会後に起きた“ある事件”「正直言ってライバル視していた」ドラフト2位の同期選手が悟った“翔平との差”―2024下半期読まれた記事<Number Web> photograph by JIJI PRESS

2013年、キャンプで笑顔の大谷翔平と森本龍弥さん

大谷の「目標設定シート」に驚いた理由

 大谷と森本さん、4位入団の宇佐美塁大の高卒3選手は、共に沖縄・国頭での二軍キャンプからスタートした。初の実戦となる2月17日の紅白戦では、大谷が初打席初安打をマークする傍ら、森本さんも上沢直之(現レッドソックス傘下3A)からヒットを放っている。

「あれはまぐれヒットです。僕はもう木のバットに慣れなくて、とにかく必死でした。キャンプでは毎日、報道陣とファンの数がもの凄くて、これがプロか、すげえな、と驚いていました。でも次の年から全くいなくなりました。翔平が一軍に行ったから(笑)。これがプロ野球かと思ったら、単にあいつ一人の力でした(笑)」

 同じ高卒ルーキーでも、すでに大谷は異次元の存在だった。共に寮生活をするなかで感心したのは、大谷の独特な時間の使い方だ。

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「全体練習の後に僕らはそのまま流れで自主練をするんですが、翔平はしない。一旦部屋に戻って休んで、みんながいない時間に一人でウエートトレーニングやバッティング練習をしている。自分が決めたことに対して、この時はこれということをきっちりとやる。みんながやっているから、とか、行き当たりばったりでやるようなことは一切なかったです」

 ファイターズでは当時、高卒3年目までの選手は毎年「目標設定シート」を書く座学の時間があった。大谷が花巻東高時代に取り組んでいた「マンダラチャート」を取り入れたものだった。ルーキーイヤーのある時、森本さんはふと覗き込んだ大谷のシートに仰天した。

「僕なんか曖昧に『打率3割残す』とか書いていましたけど、彼はもうビッシリです。目標を叶えるために何をクリアしていくべきなのか、細かいところまで噛み砕いて隙間なく欄を埋めていた。今思えば、なんですけど、あいつの努力の仕方って全部正しい方向なんですよね。僕らは信じたものが間違って、またやり直し……という繰り返しのところ、あいつは一切回り道せず、最短距離で辿り着いていたように思いますね」

同期3人での焼肉会後に起きた“週刊誌事件”

 プロ1年目から既に高いレベルを見据えていた大谷。とはいえ、いったんグラウンドを離れれば同じ高卒ルーキー同士、リラックスした時間も過ごした。休み前には連れ立って選手寮近くの焼肉屋に行くこともあった。ある時、“事件”が起きた。

「キャンプから帰ってきた3月くらいですかね。宇佐美と翔平と3人で寮の近くに焼肉を食べに行ったら、週刊誌に写真を撮られたんです。2、3時間食べてパッと帰っただけなんですけど、お店も取材されて『こんなメニューを何人前食べました』とか載っていました。初週刊誌やぁ! って。でも僕らは名前も出ず『大谷翔平と他2名』っていう“他2名”の方やったんですけどね(笑)」

 大谷フィーバーの渦中で、高卒同期入団の二人はよく取材も受けた。

「大谷君と一緒にどこに出かけたんですか? とか何食べたんですか? とか。あいつに直接取材できないから僕らが聞かれる。翔平はそういう記事が出てもあまり気にしなかったですけど、僕らはなるべく彼のプライベートなことを言わないように少し気を遣いました」

【次ページ】 必死でもがいたプロ1年目

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