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核心にシュートを!BACK NUMBER
「ハセベは誠実ね!」女性記者が長谷部誠ユニ姿…“日本代表に憧れる”インドネシア取材で「ハッとさせられた」菅原由勢や久保建英の言動とは
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byYusuke Mimura
posted2024/11/19 11:01
インドネシアメディアの女性。長谷部誠のベストセラー『心を整える。』も購入済みだとか
「バルセロナ戦も(得点できなくて)もったいないなと。サッカーをわかる人はわかってくれているので良いと思うんですけど、世界レベルの選手になれば、サッカーをわかっている人のためだけにプレーするわけではないので」
一見、コアファンに理解されることに価値があると考えていそうな久保でさえ、さらなるファンやサポーターの獲得を考えながら、努力をしている。
森保監督が口にしている「日本一丸」
実は最近、森保一監督が様々な場面でこんな言葉を口にしているのをご存じだろうか。
「日本一丸」
これは、バスケ日本代表が2019年に使い始めたキーワードだ。W杯出場を目指していたときに、当時の日本代表キャプテン篠山竜青と辻直人が話し合い、辻が考えついたもので、バスケ日本代表を語る際のスローガンのようになっている。日本中が熱狂に包まれた2023年バスケW杯も見ていた森保監督は、あの会場で応援をしていたサッカー日本代表サポーターの姿をテレビ越しに気がついた。そして翌月、顔を合わせた際に、直接ねぎらいの言葉をかけた。
「ああやって他の競技のことも応援するのは素晴らしいことですね。どんどんやってください!」
では、憎めない目立ちたがり屋として知られる、辻はどう考えているか。自分の言葉を他の競技で使われるのは嫌なのだろうか。
答えはノーだった。
「メッチャ嬉しいですよ! ただ、日本一丸という言葉がどう作られたのかの動画をスタッフの人は絶対撮っていたはずなので、(証拠映像は)そろそろ出してほしいですけどね(笑)」
歴代最強と言われる日本代表が前に進むために
日本の熱心なサッカーファンは想いが強いからこそ、知らず知らずのうちに新規ファンが入りづらい環境になっていた――自戒の念を込めつつ、個人的にはそう映る。
ただ、自分が愛し、情熱を注いでいるスポーツが人気になり、栄えるのを本心から嫌っている人などいないはず。インドネシアの無邪気ではあるが、情熱的なサポートを多くの人が知ったタイミングだからこそ、そういった面も考えていいのでは、と感じた。ちょうど、日本のバスケファンがここ数年来やってきたように。
その先にサッカー日本代表で「日本一丸」となれるチャンスは広がっている。そして、そうなったときに歴代最強レベルと言われる日本代表は、さらに前へ進めるはずだ。
とはいえ――インドネシア戦のピッチ上で起こっていたことから目を背けては、今後の進化に繋がらない。日本代表の守備が、好対照な2つの顔をのぞかせていたことに気づいただろうか?
〈つづく〉