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「ハセベは誠実ね!」女性記者が長谷部誠ユニ姿…“日本代表に憧れる”インドネシア取材で「ハッとさせられた」菅原由勢や久保建英の言動とは
posted2024/11/19 11:01
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph by
Yusuke Mimura
ハセベの勇敢な姿に…向こうから提案してくれるなんて
インドネシア戦当日。記者席には、長谷部誠の名前と背番号がプリントされた、2010年南アフリカW杯モデルの日本代表のユニフォームを着た女性がいた。ラグリ・プトリ・イリマリアという名の彼女は記者らしいのだが、日本代表の練習の取材に訪れたときに一生忘れられない出来事があったという。
「2010年W杯で、ハセベの勇敢な姿を見て、虜(とりこ)になったんです。しかも、日本代表の練習初日にグラウンドの片隅でユニフォームを持っている私を見つけたハセベが、『良いもの持っているね! 一緒に写真を撮ろうか?』と声をかけてくれたんですよ。向こうから提案してくれるなんて、本当にジェントルマンだわ! もう、最高でした。ハセベは優しくて、真摯で、誠実。私は彼の本も持っているの」
そう言って、彼の著書『心を整える。』の文庫版の写真を見せてくれた。日本語はわからないそうだが、長谷部に魅了され、著書を取り寄せたという。
試合前日の記者会見場には、年季の入った日本代表のユニフォームを着たディエゴ・バスローという記者がいた。1998年W杯のときのユニフォームで、背中には現代表コーチの名波浩の背番号と名前がプリントされていた。
「僕は日本サッカーに憧れているんだ。あの大会は日本が初めてW杯に出場したユニフォームだろう? だから、価値がある。当時は僕も学生だったから買えなかったんだけど、大人になってからネットで探して、中古品を買えたんだ」
なお、彼は会見の後、名波コーチからこのユニフォームにサインを書いてもらったという。
日本代表は大人気…でもブーイングを浴びた瞬間とは
もちろん、練習場では三笘薫や久保建英、あるいは南野拓実や遠藤航といったリバプール所属経験のある選手が人気だったのは言うまでもない。
彼らに共通するのは、歴代最強と言われる現在の日本代表に興味を持ったのではなく、長きにわたって日本サッカーをリスペクトしてきたところにある。
では、彼らは日本をただ、ひたすらにリスペクトするだけだったのか。いや、そうではない。それだけサッカーが好きで、自国の代表チームの発展を願うときに、日本サッカー界をお手本にしたいからのようだった。
彼らなりのプライドと、これぞ〈インドネシア一丸〉だと感じられた瞬間は試合後にあった。