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核心にシュートを!BACK NUMBER
「ハセベは誠実ね!」女性記者が長谷部誠ユニ姿…“日本代表に憧れる”インドネシア取材で「ハッとさせられた」菅原由勢や久保建英の言動とは
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byYusuke Mimura
posted2024/11/19 11:01
インドネシアメディアの女性。長谷部誠のベストセラー『心を整える。』も購入済みだとか
バーレーンやサウジアラビアのファンとは異なり、インドネシアのサポーターの大半は0-4とされた後も、帰路につこうとはしなかった。試合後の、ある儀式を大切にしているからだ。
その儀式について知らされていなかったのが、日本代表チームだ。サポーターへの挨拶のあと、日本のコーチングスタッフが、普段のアウェーゲームと同じように、サブ組の居残り練習を促した時だった。
インドネシアのコーチが烈火のごとく、怒鳴り込んできた。
彼らは日本代表が、大切な儀式を邪魔していると勘違いしたようだった。このときばかりは友好的だったインドネシアサポーターも、日本サポーターの席に向けて中指を立て、ブーイングを浴びせたという。
もっとも、その後にやってきたインドネシア代表キャプテンのジェイ・イツェスからの冷静な説明を受け、日本代表の一行はいったんピッチを出た。日本のスタッフは"その後"のこと知らされていなかっただけで、すぐに誤解は解けた。
インドネシアサポとチームの一体感は想像以上だった
彼らにはそれほどまでに大切にしていた儀式があったのだ。
選手たちがセンターサークルのライン上に立ち、スタンドの方を向いて円形に並ぶ。そして、選手もファンも含め、スタジアムにいたインドネシア人たちが一斉に歌い出した。場内に流れたのは「TANAH AIRKU」という曲で、英語に直すと「My Country」という意味になる。歌って団結を確認するのが彼らのお約束だ。
筆者がその様子を眺めていると、その場にいたインドネシア人記者が教えてくれた。
「この歌は僕たちの誇りなんだ。みんなで歌うことで、僕らは一緒に戦っているのだということを確認しているのさ」
現地メディアのニュースでは、新たに帰化が認められてインドネシア代表に選ばれた選手の「あの歌を歌うのが楽しみだ」というコメントを紹介していたが、このことを指していたのだ。このときばかりは、代表チームとそれを取り巻くファンの一体感では、日本を上回るものを彼らは持っているのだと感じさせられた。
菅原のゴール後、瀬古と谷が取った行動とは
翻って、日本はどうだったか。
一つ言えるのは、代表チームはまとまっていたということ。日本代表は〈チーム一丸〉となって戦っていた。
そのハイライトが69分、菅原由勢のゴール直後だった。