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日本代表「3戦3敗の敵地6万人超サウジ戦」W杯へ“最高の予行”と現地記者が見るワケ…予想先発は「1トップ上田綺世。南野拓実と鎌田大地を」
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byKiichi Matsumoto
posted2024/10/10 19:20
北中米W杯へ最大の関門となる敵地サウジアラビア戦。上田綺世ら日本代表は再び中東の地で結果を残すか
メキシコでの試合であれば言語の壁は一切ないし、アメリカには中南米の国にルーツを持つ人たちが多い。カナダ以外で行なわれる試合では、中南米の国にとってホームに近い環境になることが予想される。
しかも、26年大会の全104試合のうち、カナダで行なわれるのはわずか13試合。残りはメキシコで13試合、アメリカで大半の78試合が行われる。カナダでの試合に割り当てられるのを期待するのは神頼みするようなものだ。日本にとって厳しい環境で試合が行なわれる可能性が高いと覚悟しておかないといけない。
まして、日本に限らず、アジア勢にとって南米勢は大の苦手とする相手である。
W杯の長い歴史でアジアのチームが初めて南米に勝ったのは、なんと2018年ロシア大会、日本が開始早々に相手が退場になった優位性を活かしたコロンビア戦だった。もう1つは、カタールW杯でサウジアラビアがアルゼンチン相手に起こした番狂わせだけ。狡猾さと肉弾戦の強さを発揮する南米勢と、アジア勢との相性が悪いことは念頭に置いておくべきだ。
そうやって北中米W杯における戦いづらい環境を考えたとき、その“最高の予行練習”となるのが今回のサウジアラビアとのアウェーゲームなのだ。
“グループ最強の中東アウェー”は鬼門であるデータ
もう1つ、データを紹介しよう。
W杯最終予選の歴史のなかで、アウェーの環境を強く意識させられる中東での試合における日本の成績が芳しくないのはご存じだろうか。ホーム&アウェー形式で行なわれるようになった98年大会以降、最終予選の中東でのアウェーゲームでの成績を、以下に載せる(*以下のうち、1つの最終予選のなかで2カ国と対戦している場合、左側に記したのがFIFAランキング等のシード順が上のチーム。14、18年大会のイラク戦は除く)。
98年大会予選:UAE戦△
06年大会予選:イラン戦● バーレーン戦○
10年大会予選:バーレーン戦○ カタール戦○
14年大会予選:ヨルダン戦● オマーン戦○
18年大会予選:サウジアラビア戦● UAE戦○
22年大会予選:サウジアラビア戦● オマーン戦○
対戦成績だけ見れば、6勝1分4敗。「悪くない」と感じるかもしれない。ただ、10年大会の最終予選までは、組み合わせ抽選においてシード制を採用していなかった。そのため、10年大会の予選ではサウジアラビアやイランと同組にならないという幸運に恵まれたことは頭の片隅に置いておくべきだ。
そうした前提を踏まえて、端的に表現しよう。