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空力の鬼才エイドリアン・ニューウェイが来季アストンマーティン入り! 輝かしきキャリアで再認識する近代F1への貢献度 

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尾張正博

尾張正博Masahiro Owari

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posted2024/09/19 11:03

空力の鬼才エイドリアン・ニューウェイが来季アストンマーティン入り! 輝かしきキャリアで再認識する近代F1への貢献度<Number Web> photograph by Getty Images

会見に臨んだアストンマーティンの面々。左からフェルナンド・アロンソ、エイドリアン・ニューウェイ、ローレンス・ストロール、ランス・ストロール

 マクラーレンでドライバーズタイトルを2回(98、99年)、コンストラクターズタイトルを1回(98年)獲得したニューウェイが、次に活躍の場として選んだのがレッドブルだった。ウイリアムズやマクラーレンといった伝統的なチームで1年目から結果を出したニューウェイだが、当時のレッドブルはジャガーを買収して05年からF1に参戦したばかりの新興チーム。05年末にチームに加わったニューウェイは目先の結果を求めず、時間をかけて技術部門を立て直すことを優先した。

 その判断が実を結んだのは09年。車体製造に関するレギュレーションが大幅に変更となったこの年、多くのマシンが不格好となってしまった中、ニューウェイが設計したRB5は変更したレギュレーションに合わせてデザインされたものとは思えないような美しいフォルムを成して、レッドブルに初勝利をもたらした。翌10年、RB5を進化させたRB6でレッドブルが初のチャンピオンとなると、13年まで4年連続でダブルタイトルを独占する。

 14年からのF1は、1.6リッターV6ターボに2種類の回生エネルギーシステムを搭載するパワーユニットの時代になり、レッドブルは競争力のあるパワーユニットを入手できずに低迷。この苦境を脱する最大の武器となったのが、19年からパートナーを組んだホンダのパワーユニットだった。輝きを取り戻したニューウェイは、21年から再びトップランナーに返り咲く。23年のRB19は22戦中21勝し、F1史上最高の年間勝率を記録した。

ニューウェイが牽引した近代F1

 これまでニューウェイが手がけたマシンは、13回のドライバーズチャンピオンと12回のコンストラクターズチャンピオンに輝いた。90年代以降のF1は、各チームがニューウェイのマシンと戦ってきた時代だとも言える。

 現在65歳のニューウェイにとって、アストンマーティンでの仕事はF1での最後の挑戦となるだろう。

「私はローレンス(・ストロール/エグゼクティブ・チェアマン)の情熱とコミットメントに大いに触発され、感銘を受けた。彼は世界一のチームを作ろうと決意している。ホンダやアラムコのような素晴らしいパートナーもいる。彼らはアストンマーティンを世界選手権で優勝に導く重要な要素だ。その目標達成を私が手助けできることをとても楽しみにしている」

 ウイリアムズ、マクラーレン、レッドブルと渡り歩いた優勝請負人が、新天地でどんなマシンをデザインするのか。ニューウェイがいるF1を、まだ見ることができる幸運に感謝したい。

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