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マスクの窓から野球を見ればBACK NUMBER
甲子園決勝戦でも「タイブレーク制は必要なのか」問題…現場の監督たちが語ったホントのトコロ「ムリヤリ“敗者”を作る必要はないのでは?」
text by
安倍昌彦Masahiko Abe
photograph byHideki Sugiyama
posted2024/08/25 17:00
史上初の甲子園決勝でのタイブレーク決着となった今年の夏の甲子園。SNSなどでは賛否両論あふれた新システムだったが、現場の指導者はどう受け止めたのか
そうした「下地」があるせいか、甲子園の決勝戦だけは決着がつくまで戦うものだろう、戦ってほしい……みたいな思い込みが生じていたようだ。
「何年か前から、準々決勝の前の日から休養日を挟んで中1日になったじゃないですか、決勝まで」
現役の指導者の方の中に、同じような思い込みをしていた方がいて、ちょっとホッとした。
「あれだけ休みの日があるんだから、準決ぐらいからタイブレークなしの延長戦かと思っていました!」
現場には、こうした大ざっぱな「理解」もあるもんだ。
「まあ、ウチあたりは、甲子園の決勝なんてぜんぜん縁がないですからね(笑)」
甲子園の決勝に、延長戦はいらない。タイブレークもいらない。そんな驚きの発想を持つ指導者の方もいるから、なにごとも、やってみないとわからないし、聞いてみないとわからない。
「私は、夏の甲子園に勝ち上がってきたチームは、立派な<勝者たち>じゃないかと思うんです」
それは、確かに勝者たちだろう。
ある監督の「甲子園はお祭りでいい」の言葉
「甲子園は、勝者たちの祭典……お祭りでいいんじゃないでしょうか。ムリヤリ、トーナメントをやって、あえて<敗者>を作ることもないでしょう」
その監督は、そんな風につぶやいた。
「甲子園はお祭りでいい」――その真意は、いったいどこにあるのだろうか?
<次回へつづく>