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マスクの窓から野球を見ればBACK NUMBER
「タイブレークに“必然”を感じたことは一度もない」甲子園決勝でもタイブレーク制は必要? 監督たちが語る本音は…「場面設定も公平ではない」
posted2024/08/25 17:01
text by
安倍昌彦Masahiko Abe
photograph by
Hideki Sugiyama
史上初のタイブレーク決着となった関東一(東東京)と京都国際(京都)による夏の甲子園決勝。最終盤まで競り合った白熱のゲーム展開だっただけに、9回を終えてのタイブレーク制にはSNSをはじめとして賛否両論、多くの意見が上がった。では、全国の頂点を決める一戦での新システム導入に、現場の監督たちはどんな思いを抱いたのだろうか?《全2回の2回目/最初から読む》
甲子園の決勝戦にも、タイブレークがあるのか――。
恥ずかしながらいまのいままで知らなかったので、今年の夏の甲子園の決勝戦を見て驚いた。決勝だけは「延長で白黒つけるんだろう」と理由もなく、そう決めつけていた。
そんな話をあるチームの指導者の方としていると、こんな言葉が返ってきた。
「夏の甲子園に勝ち上がってきたチームは、立派な<勝者たち>じゃないかと思うんです。ムリヤリ、敗者を作る必要はないでしょう。甲子園は、お祭りでいいんじゃないでしょうか」
「甲子園はお祭りでいい」――それは、どういうことだろうか。
「最後の最後まで、敗者を作る必要はないと思う」
「2020年の交流試合の形が、私には理想形だと思えるんです。県大会の勝者たちを、主催者が敬意を持って甲子園に招待する。全チームが1試合ずつ、甲子園で試合をして、勝敗を決するというより甲子園での野球を味わい尽くす……みたいな」
どうしても、優勝校を決めなきゃいけないというのなら……と、独自のアイディアも明かす。
「決勝戦は9イニングで終了。もし同点だったら、両校優勝で良いでしょう。メダルは倍の数、用意しておけばいいんだし、旗(大優勝旗)だってもう1本作っとけばいいんです。最後の最後まで、敗者を作る必要はないと思うんです」