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オリンピックPRESSBACK NUMBER
「公道を馬が歩いている!」パリ街中で遭遇した“馬が身近すぎる”驚きのフランス馬事情「馬糞を見るのも日常」「馬術の競技人口は日本の約100倍」
posted2024/08/20 11:40
text by
齋藤裕Yu Saito
photograph by
Yu Saito
あの“バロン西”こと西竹一以来92年ぶりのメダルを獲得した「初老ジャパン」の活躍もあり、日本でも注目を集めたパリ五輪の馬術競技。人馬への配慮とリスペクトを欠かさなかったヴェルサイユ開催の独特な雰囲気の背景には、日常生活に馬が溶け込んだ欧州ならではの文化があった。競馬好きの記者が現地で目にしたフランスの“リアルな馬事情”をレポートする。(全2回の2回目/前編へ)
「路上に馬糞が…」パリで目にした“日本にはない光景”
「街中に馬が当たり前のようにいる……」
パリに着き、驚くのは街中を歩く馬の存在だ。正確には警察騎馬隊。五輪での観光客増を見越してか、テロ警戒からなのか、人馬2組がパリ中心部を闊歩する様子を毎日のように見かけた。
公道の自転車レーンや繁華街エリアを縦横無尽に歩く姿に、観光客と思しきひとたちは写真や動画に収めようとする。かたや、パリ在住と思われる現地の人々は一瞥したのち、素通り。むしろ写真撮影している人が珍しいのか、そちらに目をやっていたりする。なお、騎馬隊が朝や昼ごろに街中を歩くのはイギリスなど欧州の他の国でもよく見られる。ちなみに馬糞が路上に落ちているのも「あるある」。日本では牧場や競馬場などに行かないと馬とは触れ合えないものだが、パリでは身近に馬がいる生活が当たり前。もし日本の公道で馬と出会ったら、なにかしらのトラブルを想起してしまいそうだが、欧州では日常の光景となっている。
スポーツ用品店の品揃えも充実「競技人口は日本の約100倍」
それだけ馬がいる環境が当たり前だからだろうか。馬術という競技自体もかなり浸透している印象だ。
パリ五輪のスポンサーにもなっているスポーツ用品店「デカトロン」。アウトドア商品やスポーツグッズを総合的に取り扱う大型店舗の中を見ると、「Equitation」(仏語:乗馬、馬術)のコーナーがある。卓球やバドミントンのエリアより面積は大きく、10mほどの棚2つを使ってムチやヘルメット、乗馬用の靴だけでなく、ブラシや馬用の餌、子ども向けの馬の絵本、競技に必要なジャケット類まで売られている。