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「このチームで勝たれへんのかと…」甲子園、強打・大阪桐蔭“衝撃の完封負け”はなぜ起きた? 理想のフルスイングと現実との“ズレ”
text by
氏原英明Hideaki Ujihara
photograph byJIJI PRESS
posted2024/08/15 17:02
強豪校の早期敗退が目立つ今大会だが、大阪桐蔭の2回戦での完封負けはやはり衝撃的だった
周知のように、平成以降の大阪桐蔭のプロ輩出率は高い。
6度のホームラン王・中村剛也(西武)を筆頭に、打点・本塁打のタイトルをもつ浅村栄斗(楽天)、首位打者とMVPを獲得した森友哉(オリックス)、打点王などのタイトルがある中田翔(中日)など、各チームの4番クラスを育て上げてきた。中村の頃は甲子園に出ることも難しいような時代だったが、それでも、選手に高い打撃技術を身につけさせ、プロでも通用するほどの高いレベルにして送り出すことができていた。
卒業後に力を発揮できなくなっている?
しかし、2度目の春夏連覇を果たした2018年以降、甲子園での活躍とは裏腹に、OBには以前のような勢いはない。黄金世代といわれた根尾昂(投手に転向)、藤原恭大らはプロに進んだものの、レギュラーを獲得できずにいる。大学に進んだ中川卓也、山田健太もドラフト指名漏れの憂き目に遭うなど、苦しい状態ではある。
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以前は通用したバッティング技術で、2018年以降の選手が壁にぶち当たっているのは何らかの課題があってのことだろう。そして今年、バットの規格変更があったなかで初の完封負け。これは何かを変える必要がある。
「時代が変わらないようにしたいと思います」
取材時間終了のお知らせと同時に、橋本コーチがこの敗戦を重く受け止めるようにそう口にしたのは、危機感の裏返しだろう。
「力をつけて、ここぞの場面で打てるようなバッターになりたいと思います。将来的にはプロの世界で活躍できるような選手になりたい。こういう経験を生かしてやっていくしかないと思います」
徳丸はそう語り、これからの野球でこの敗戦を生かしていくと誓った。
現チームに突きつけられた課題。
それは大阪桐蔭の打撃から、かつて身につけていたものが失われていたということ。そのことが低反発バットによって、暗に知らされたような気がする敗戦だった。