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大阪桐蔭“じつは激変している”内情…現地記者が驚いた「4番のラマルがまさかベンチに…」大阪桐蔭コーチも証言する「根尾昂の代との共通点」 

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氏原英明

氏原英明Hideaki Ujihara

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posted2024/07/30 11:01

大阪桐蔭“じつは激変している”内情…現地記者が驚いた「4番のラマルがまさかベンチに…」大阪桐蔭コーチも証言する「根尾昂の代との共通点」<Number Web> photograph by KYODO

準決勝でライバル履正社をコールド勝ちで下すなど、今年の大阪大会を制した大阪桐蔭

「やっぱり、勝っている世代って徹底できたチームなんですよね。2018年の根尾昂(中日)の世代もそうですけど、2014年の中村誠(現コーチ)の時も、やることをチームとして徹底できた。履正社との試合は本当に、相手にも学ばせてもらいました。低反発(のバット)でなかなか打てない中で、単打、単打で出塁していこうという姿勢はウチも意識させてもらった」

ラマルの吐露「(新基準バットは)難しいなと」

 大阪桐蔭は、プロで活躍する選手たちを見ればわかるように、フルスイングをする選手が多い。現チームも押し並べてそういう傾向があった。もっとも、それは悪いことではない。「理想としては低反発バットでもいつも通りのバッティングができるようにしたい」というのは指揮官、チームが目指すところである。

 ただ、トーナメント戦を勝ち抜いていく上では、現状の力を理解して戦っていかなければいけないのも事実だ。今春から取り入れられている新基準バットへの対応は、大阪桐蔭といえど一筋縄ではいかない。本来は4番を打つラマルがスタメンを外れているのがその象徴だ。

「しっかりと捉えることができれば打球は飛ぶんですけど、変化球などを意識した時に難しいなというのは感じています」

 準々決勝の早稲田摂陵戦で追加点となる本塁打を放ったラマルは低反発バットへの対応の難しさを吐露している。ただ一方で「チームとしてできることがあるので」と大会終盤はベンチに控えチームの勝利のために貢献していた。

 チームとして徹底した打撃をするために、準決勝から打線を変更したこともチームを大きく変えた。決勝のキーマンになったのは5回戦の大商大堺戦で2番だった吉田翔輝だ。

大阪桐蔭のキーマン「吉田翔輝」とは何者か?

 今春のセンバツでもレギュラーだった吉田だが、6月の招待試合で左足を疲労骨折。実は5回戦までの1カ月間、戦列を離れていた。ブランクがあった中で、「俺を出してくれというのが感じられた」と西谷監督は5回戦からの復帰を決めたが、本来は2番だった吉田を履正社戦から1番に起用。これがチームを大きく前進させた。

 現役時代は2番打者だった橋本コーチが内情を明かす。

【次ページ】 根尾昂世代との共通点

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